清水 雅弘

略歴

2007年3月 京都大学工学部工業化学科 卒業
2009年3月 京都大学大学院工学研究科修士課程材料化学専攻 修了
2009年4月 日本学術振興会特別研究員DC1
2012年3月 京都大学大学院工学研究科博士後期課程材料化学専攻 修了
2012年4月 日本学術振興会特別研究員PD
2013年5月 京都大学工学研究科材料化学専攻助教

メッセージ

清水 雅弘現在、京都大学大学院工学研究科の教員として研究と教育をしています。私は子供のころから科学者という職業に憧れを持っており、大学の教員になることが目標だったため、博士の学位はその目標を達成するために必要なものでした。博士課程における研究活動は、広い学問分野の中でテーマを絞り、「狭く深く」掘り下げることで、他人が容易には追随しにくいような知識や技術を醸成するよい機会だったと思います。博士課程の時に長時間考えて身に着けた知識や長時間手を動かして身に着けた実験技術が、現在の研究・教育にそのまま生かされています。博士課程進学の際には特に不安を感じることはありませんでしたが、その理由を考えてみると、修士修了の時点である程度の研究成果が出ており、博士課程でおこなうべきことがある程度明確になっていたからだと思います。生活費や研究費に関しては、私は日本学術振興会の特別研究員の制度を利用しました。審査を通過する必要があるため、修士二回生の初めころには博士課程でおこなう研究テーマや自身の研究能力をアピールできるようになる必要があります。以上より、修士入学時や研究室配属時から、博士課程進学と特別研究員に応募することを意識して助走しておくと不安は少ないのではないでしょうか。

人によって研究に楽しさを感じるときは異なると思いますが、私の場合、良い成果が得られたとき以外にも、研究している「過程」で心躍るような楽しいときがあります。例えば、自分で思いついた仮説を証明するために、自分で思いついた実験を行っていて、「自分の予想どおりになったら凄いインパクトだぞ、早く結果をみてみたい。」と思ってワクワクしているときです。これは一例にすぎませんが、博士課程はこのような能動的な研究の過程で得られる楽しさを経験する良い機会だと思いますし、より多くの学生にそのような経験をしてもらいたいと思います。

 2019年5月掲載)