松隈 啓

略歴

2008年3月 京都大学工学部物理工学科 卒業
2010年3月 京都大学大学院工学研究科修士課程機械理工学専攻専攻 修了
2013年3月 京都大学大学院工学研究科博士後期課程機械理工学専攻 修了
2012年4月 日本学術振興会特別研究員(DC2)
2013年4月 日本学術振興会特別研究員(PD)(DC2より資格変更)於 東京大学
2013年11月 大阪大学 特任研究員
2017年9月 東北大学大学院工学研究科ファインメカニクス専攻 助教
2021年10月 東北大学大学院工学研究科ファインメカニクス専攻 准教授

メッセージ

松隈 啓■現在の職務内容について
加工機械や半導体生産装置などの生産技術に使われる物体の運動や形状を超精密に計測するための計測技術に関する研究を行っています。特に学生時~ポスドク時に培ったレーザーや分光学といった光工学の知見・技術を活かした新しい測定原理の研究に取り組んでいます。また、教育職として様々な専門科目の講義を行っています。

■博士学位を取得しようと考えた動機
多くの企業で行う近い将来のための研究よりも、大学や研究所等で研究者になり、もう少し遠い未来を創る研究者になりたいと考えました。そのために、博士の学位が必須であることから取得を目指しました。

■博士学位の取得の意義について
特定の職業に就くためのライセンスとしての意義はもちろんあります。しかし、それよりは自分の研究のスタイルの基礎固めの期間としての意味合いの方が大きいと思います。仕事を進めるにあたって、学生時代に得た研究に対する向き合い方・技術等は異なる分野に移ったとしても生きる術になりうるものです。

■進学の際不安に感じていたことについて
当時は大学教員や研究所の任期無ポストを得られるかどうかを不安に感じていました。また私が学生だった頃は、企業の人事の方に聞いても「博士人材の使い方が分からない」というようなことをおっしゃられていた方が結構いらっしゃいました。大学・研究所に関しては未だに需要に対して供給が多い状況にありますが、企業の方々とおはなしすると、最近はその道の専門家として扱われており、随分と博士人材の待遇が良くなっていると伺っています。

■後輩へのメッセージ
社会人ドクターに比べると、修士課程から博士課程に進学すると圧倒的に時間的余裕があるため、自己研鑽には向いていると思います。また、近年では博士課程進学の際の経済的な状況についてもRA雇用などが充実しており、進学しやすい状況にありますので、指導教員の先生方と相談するのが良いと思います。自分の理想、将来像を考えて博士課程というものが自分にとって必要なものかを見極めてください。

 2024年1月更新)