阿部 正太朗

略歴

2009年3月 徳島大学工学部建設工学科 卒業
2011年3月 京都大学大学院工学研究科 修士課程都市社会工学専攻 修了
2014年3月 京都大学大学院工学研究科 博士後期課程都市社会工学専攻 修了
2014年4月 株式会社建設技術研究所 入社

メッセージ

阿部 正太朗

■現在の職務内容について
建設コンサルタントとして、主に地域公共交通の維持・活性化に向けた調査分析や計画策定業務に従事しています。最近では、公共交通だけでなく、自動運転やオンデマンドモビリティ実装に向けた調査研究等にも関わらせてもらっています。

■博士学位を取得しようと考えた動機
動機はいくつかありますが、大学の卒業研究がおもしろくて、研究を続けたかったことが1番に挙げられます。それと修士課程で大きな研究課題を残したということもあります。あとは、小学生のときに両親から「大学にはマスタの上にドクタコースがあって、ほとんど進学する人がいない」と聞いて、博士への進学は自分のパーソナリティの1つとして“あり”かなと思いました。

■博士学位の取得の意義について
私は民間企業で働いていますが、学位論文を執筆したことは、企業に勤め、そこである程度高いパフォーマンスを発揮するための素養を養う鍛錬の場でもあったかと感じています。既存研究をレビューし、分析結果を考察し、それらを文章でとりまとめ、発表するという研究活動は、仕事に必要な4技能と密接にリンクしています。また、建設コンサルタントであれば、国発注の業務において、管理技術者の資格要件の1つに博士が定められていますので、入社1年目から管理技術者になることもできます。

■進学の際不安に感じていたこと
学部生の頃から、博士課程に進学することを意識していたので、進学時点での不安や迷いはなかったです。むしろ、目前にある先3年間の研究生活が楽しみですらあった、能天気な学生でした。

■後輩へのメッセージ
博士過程への進学は、学位の取得だけでなく、上記のような「博士の品格」とも表現できる心得を身につける大変価値あるものと考えています。ただ、現在の日本社会においては、博士の学位があまりに低く評価される傾向にあると思います。「博士の学生は潰しがきかないから」という社会の風潮が、その価値を認め変わってくるまで、私はこれからも1企業人として博士の学位を武器に最前線で働いていきたいと思います。今後、そのような同志が増えれば嬉しいです。

 2020年5月掲載)