竹内 悠

略歴

2013年3月 京都大学工学部地球工学科 卒業
2015年3月 京都大学大学院工学研究科修士課程都市環境工学専攻 修了
2018年7月 京都大学大学院工学研究科博士後期課程都市環境工学専攻 修了(工学博士)
2018年7月 京都大学大学院工学研究科附属流域圏総合環境質研究センター 日本学術振興会特別研究員
2019年4月 東京大学大学院工学系研究科附属水環境工学研究センター 特任研究員
2019年12月 京都大学大学院工学研究科附属流域圏総合環境質研究センター 助教

メッセージ

竹内 悠

■現在の職務
京都大学の助教として水環境工学分野の研究・教育活動に携わっています。国立研究機関や企業の方々と共同で、下水再利用に関わる水処理技術の研究開発を進めています。また講義や研究活動を通じて、学生の皆さんと新たな知識を共有したり、国際ジャーナルの編集者として、世界中の研究者の新たな発見を読者に届ける仕事をしています。

■博士学位を取得しようと考えた動機
学部2回生の授業で、世界的な水資源不足や水環境汚染が深刻な問題となっていることを知り、下水再利用の概念とそれを可能にする水処理技術に強く惹きつけられました。下水の再利用によって水資源を有効活用し、水環境汚染を低減できる持続可能な社会の構築に貢献したいと強く感じました。学部4回生で水の再利用に関わる研究に携わり、修士課程1年生の頃は就職するものとばかり思っていましたが、水の再利用に関する研究を続けたいという想いが強くなり、進学を決意しました。

■進学の際不安に感じていたこと・博士後期課程での研究生活について
博士課程への進学にあたっては、“自分自身は研究者に向いているのか”という不安を抱いていましたが、同じ研究室の博士課程の先輩方のアドバイスや、家族の“研究が好きなら挑戦してみたら”という言葉が背中を押してくれました。博士後期課程進学後、学振申請にあたり、先輩方に研究計画の具体化や申請書の執筆に関して相談に乗ってもらうなど、随分とサポートいただきました。博士後期課程2年目で学振に採択されたことは、研究活動の励みになりました。
一方、博士後期課程の間に留学経験を積みたいと考えていた私にとって、博士後期課程学生の海外研修を支援する「工学研究科馬詰研究奨励賞」という工学研究科の制度は大変ありがたかったです。授与式での志を同じくする学生との交流は非常に刺激となりましたし、オーストラリアVictoria大学での5か月間の研究留学では、トップの海外研究者と議論を重ねて研究を進めるという貴重な経験ができました。
博士後期課程では研究活動の場も広がりました。他大学での研究活動や、産業技術総合研究所でのインターンを通じて、異分野の研究者や学生とも交流する機会が増えました。振り返ってみると、博士後期課程では1つの研究分野を極めるだけでなく、国際的な経験や学際的な知見を習得しながら、自分自身の世界が大きく広がっていったように思います。そしてまた、博士後期課程での新たな人とのつながりが、その後の進路を導いてくれています。

■後輩へのメッセージ
将来は博士後期課程での経験や人とのつながりを活かして、異分野の発想を結びつけたり、様々な分野の仲間とタッグを組んで、新たな価値を創造する人になってください。「博士」の活躍の場は、少しずつではありますが、研究・教育・ビジネス・スタートアップなど多方面へと確実に広がってきています。自分の夢を実現するため、難しそうでも自分が面白いと感じる道へ、歩みを進めてください。応援しています。

 2022年4月掲載)