工学研究科次世代学際院について

 カーボンニュートラルやウェルビーイングなど、環境・エネルギーを巡る地球規模課題の解決や人の暮らしにおける多様な幸せを実現するためには、あらゆる知を結集し、科学技術と社会の関係を考えることができる人材の育成が求められています。そのためには、それぞれの領域に特化された知識を単に連結し合うだけでは不十分で、異分野の知を深いレベルで結びつけ、新しい知につなげていく「総合知」の修得と実践が必要になります。

 京都大学大学院工学研究科では、様々な分野に応用できる研究が多数なされています。工学研究科で実施されている基礎研究と応用研究を、研究分野や所属組織の壁をこえて議論し、お互いに理解し合う場があれば、様々な課題を解決する新たな共同研究が生まれ、ブレークスルーとなる技術開発が進むことが期待できます。

 工学研究科次世代学際院では、こうした過程を「総合知」の修得と実践の場ととらえ、研究を通じた異分野交流の場を組織的に設定することで、次世代を担う研究者を育成します。工学研究科次世代学際院に参画する若手研究者は、シニア研究者の助言のもと、自身のもつ専門性をもとに、工学内にとどまらず企業研究者や人文・社会系など、異分野・異領域の研究者と議論し理解し合うことで「総合知」を修得します。そして、得られた知見を現実社会との交流の場で実践することで、トランスファラブルなスキルを身につけ、他分野・異分野との「知の互換性」を考え、個別の専門性と他領域の知を統合し新たな分野を切り拓く能力を涵養します。

 幅広い分野への応用可能性を共有することで、斬新なアイデアが若手研究者から生まれ、それが新たな科学的発見へと展開するかもしれません。工学研究科次世代学際院という組織の壁をこえた協働による新たな育成の場の誕生により、そこに集う多様な「知」によって工学研究科全体の教育・研究活力が活性化することを期待します。

若手研究者育成プラン次世代学際院位置づけ

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