授業科目名 : 物性・デバイス基礎論

科目コード 60150
配当学年 2年
開講年度・開講期 平成30年度・前期
曜時限 火曜・1時限
講義室 総合研究4号館共通1
単位数 2
履修者制限
授業形態 講義
使用言語 日本語
担当教員    所属・職名・氏名 工学研究科・教授・木本恒暢

授業の概要・目的

電子が関与する固体の各種性質,現象の基礎を学習する.電子のエネルギー状態を量子力学的観点から理解し,平衡状態における粒子のエネルギー分布を熱力学や量子統計力学の観点から理解する.さらに,固体を構成する化学結合や結晶構造を学んだ後,電子の輸送現象や電子放出を理解することを目指す.固体内や真空中における電子の挙動を概述する.

成績評価の方法・観点及び達成度

100点満点の定期試験により評価し,60点以上を合格とする.予習,復習のためにレポートを数回出題する予定.(提出しなくても減点しないが,レポートに真剣に取り組んだことを前提とした講義,試験を行う.)

到達目標

この授業は,電子材料,電子デバイス,オプトエレクトロニクスデバイスを理解するために必要となる基礎を学ぶことを目標としているが,それとは別に,ここで学ぶ量子論や物性論を通じて,電子とは何か,光とは何か,ガラスはなぜ透明なのか,なぜ物質に金属,半導体,絶縁体という違いが生じるのか?など小中高で説明なしの暗記事項だった現象に対する答えを見つけ出して欲しい.

授業計画と内容

項目 回数 内容説明
量子力学の基礎 4-5 電子が波動性を持ち,その挙動がシュレディンガー方程式で 記述されることを述べ,各種のポテンシャルに対する解を求めて,量子力学の基礎を紹介する.原子内電子のエネルギーが離散的値をとることを論じ,化学結合についても触れる.
統計力学の基礎 3-4 統計力学の基礎となる分布関数について説明した後,ボルツマン統計,ボーズ・アインシュタイン統計,フェルミ・ディラック統計を紹介する.各統計に従う粒子の特徴と分布関数の形を論じる.統計力学を現実の物理現象の解釈に適用した例についても述べる.
固体物理の基礎 2-3 原子結合や結晶構造について説明し,結晶における面や方位の定義を紹介する.結晶における格子振動を論じ,格子振動が固体物性に与える影響を説明する.固体結晶の簡単な評価方法についても紹介する.
固体内電子の挙動 3-4 固体内における電子の挙動を,電界の影響を含めて論じる.固体表面からの各種の電子放出機構を述べ,電子の数や速度分布が電流にどのように影響するかを述べる.次に,シュレディンガー方程式に周期的なポテンシャルを与えると,固体内電子のエネルギー状態がバンド構造となることを説明する.これを基に,固体内電子の有効質量の概念を紹介し,電気伝導現象が導電性,絶縁性に区別できることを論じる.
総論 1 学習到達度の確認を行うフィードバック授業を行う.

教科書

田中哲郎: 物性工学の基礎 (朝倉書店)

参考書等

教科書と授業で十分に理解できない人は,量子論,統計力学などの各種教科書を自分で勉強してください.推奨する参考書は、
岩波 物理入門コース「量子力学I」 ,「量子力学II」 ,「熱・統計力学」
丸善 キッテル 「固体物理学入門第8版」
である.
量子力学に深い興味を持った者には,
みすず書房 朝永振一郎 「量子力学I」,「量子力学II」
を勧めたい.量子力学の発展の歴史が分かって面白い.
この授業の要点のみをまとめた書籍が必要ならば,
森北出版「新版電子物性」
がある.

履修要件

数学,物理,化学の基礎知識があればよい.

授業外学習(予習・復習)等

授業URL

その他(オフィスアワー等)