授業科目名 : 有機工業化学

科目コード 70280
配当学年 3年
開講年度・開講期 平成29年度・後期
曜時限 水曜・1時限
講義室 総合研究8号館NSホール
単位数 2
履修者制限 なし
授業形態 講義
使用言語 日本語
担当教員    所属・職名・氏名 工学研究科・教授・大江浩一,工学研究科・教授・田中庸裕,工学研究科・教授・前一廣,工学研究科・教授・辻康之,工学研究科・教授・跡見晴幸,工学研究科・教授・河瀬元明

授業の概要・目的

石油化学では、有機化学の教科書からうかがい知れる反応とは全く異なる反応を利用して、極めて高効率に有機中間原料を合成している。高効率とはエネルギー・資源の消費が少なく、しかも環境に対する負荷が少ないということに相当する。本講義では有機工業化学の現状を、石油化学を中心に製造プロセスにも言及しながら論述する。

成績評価の方法・観点及び達成度

期末試験は担当者全員が出題し、配点は担当者の講義時間に比例する。最終成績は期末試験の結果を主とし、これに平常点を加味して総合的な判断から決める。

到達目標

現在の経済情勢を基に、有機化学工業がおかれている状況を理解し、大規模化学製品製造における特徴と、そのプロセスを維持していくために必要な知識の基礎を理解する。

授業計画と内容

項目 回数 内容説明
炭素資源の現状と有機化学工業の歴史・天然ガス利用 石油・石炭・天然ガス・バイオマスなどの炭素資源の状況とエネルギー需給の見通し、および、これら炭素資源の性状について概説する。次に、有機工業化学の歴史を概説、将来ますます重要性を増すと考えられる天然ガス利用化学やバイオマスの利用について講義する。【前担当】
石油製品・石油精製・スチームクラッキング 2 ガソリン・灯油・軽油などの石油製品を安全に利用するために要求される性状などを概説し、石油製品を得るためにの脱硫・分解・改質などの化学を概説する。次に石油化学の基幹原料であるエチレン・プロビレン・BTXの合成を概説し、複雑な混合物から各生成物を単離する方法(蒸留・抽出・抽出蒸留)を講義する。【辻担当】
酸化反応と酸触媒反応 3 石油化学の特徴である空気を酸化剤として用いる反応を概説し、このような反応を可能にする触媒の特徴を講義する。さらにアンモ酸化・アセトキシレーション・オキシ塩素化など、特殊な酸化反応を講義したのち、脱水素反応と酸化的脱水素反応にも言及する。次にエステル化反応・芳香族アルキル化反応・水和反応などの酸触媒反応を概説し、固体酸触媒の特徴を講義する。【田中(庸)担当】
オレフィン・芳香族化合物および石油化学二次誘導体の化学 2 エチレン・プロピレン・C4オレフィン、BTXと呼ばれる芳香族溜分の変換反応について、それぞれ具体例を挙げながら解説する。また、エチレンオキシド・アセトアルデヒド・アセトンなどを原料とする二次誘導体の有機工業化学についても講義する。さらに、BTX二次誘導体からの化成品合成にも言及する。【大江担当】
均一系触媒反応 1 錯体触媒について概説したのち、錯体触媒を用いるワッカー法・オキソ法・モンサント法酢酸合成プロセスを講義する。また、クロスカップリング反応、アルケンメタセシス反応や不斉配位子を利用する錯体触媒による不斉合成にも言及する。【大江担当】
バイオプロセス 2 工業化されている発酵プロセスを取り上げ、それらの原理を解説する。またバイオプロセスの実用化に至るまでに必要となる微生物・酵素のスクリーニング、活性の増強、選択性の向上、補酵素の再生、フィードバック阻害の解除等に関して具体例を示しながら基本的な戦略と手法を講義する。【跡見担当】
フローシートとマテリアルバランス フローシートとマテリアルバランスシートは化学プロセスを考える上で最も重要な資料である。本講義に出てくるような概略フローシートの読み方を講義するとともに、詳細なフローシートに関しても言及する。さらに化学量論の基礎を講義し、詳細なマテリアルバランスシートの読み方と作成上のポイントを講義する。【田門担当】
フィードバック講義 1 講義および試験内容に関する解説等を行い学習習熟度を高める(詳細については講義時間中またはクラシスにおいて指示する)。【全担当教員】

教科書

資料は各講義の際に配布する。

参考書等

Industrial Organic Chemistry, 4th Edition, K. Weissermel, H.-J. Arpe, Wiley-VCH, Weinheim, Germany(2003) :
「燃料工学概論」小西誠一、裳華房、東京(1991) :
Industrial Organic Chemicals, 3rd Edition, H. A. Wittcoff, B. Reuben, J. S. Plotkin, Wiley, Hoboken, USA (2013) .
石油化学工業協会編「石油化学工業の現状2015年」 を第1回講義の際に配布予定 。

履修要件

2回生前期に配当されている「有機化学基礎及び演習」および「化学プロセス工学基礎」を履修しているものとして講義を進める。

授業外学習(予習・復習)等

授業URL

その他(オフィスアワー等)

講義終了前に小テストをする場合がある。