科目名 : 非線形動力学

科目コード 91230
配当学年 3年
開講期 前期
曜時限 金曜・3時限
講義室 総合研究8号館講義室3
単位数 2
履修者制限
講義形態 講義
言語
担当教員 青柳富誌生

講義概要

現実の多様な現象の複雑さは非線形性と呼ばれる性質に起因している場合が多い.非線形動力学では,そのような現象を数理モデルを用いて理解すること目指している.そのために,まず現象の数理モデルをどのように構築するか,具体的事例を用いて学ぶ.更に構築した数理モデルを解析することを通じて,必要な基礎理論の習得を行う.また,多数の素子が相互作用することで興味深い集団的なふるまいが生じる大自由度力学系の初歩を,リズムやカオス,複雑ネットワーク, 感染症の拡大などの具体例を通じて実践的に学ぶ.

評価方法

講義時間中に説明するが,原則定期試験の結果により評価する.

最終目標

物理現象や生命現象,社会現象などに現れる多様なふるまい,例えばリズムやカオス、またそれらの同期,多数の要素の協同現象や自発的構造形成など、一見複雑な現象の背後には、共通の数理構造が潜んでおり,統一的に理解可能な側面があることを学ぶ.

講義計画

項目 回数 内容説明
非線形動力学とは? 1 講義の目的と内容を概説する.
力学系の基礎 3 非線形動力学の理論を学ぶための基本的な知識,特に微分方程式やマップの解析手法などについて概説する.
非線形力学系の基礎理論 3 力学系における外部パラメーターの変化により生じる典型的な不安定性のタイプに関する分岐理論の初歩を概説する.特に,固定点が不安定化することでリミットサイクル解が出現するホップ分岐についてやや詳しく説明し,具体的な例として数理生態のモデルなどを取り上げる.
カオスとフラクタル 2 力学系の側面から不規則運動を解析するために,少数自由度のカオスに関して解説する.カオスについてローレンツモデルを代表例にとりあげ,散逸力学系におけるストレンジアアトラクタ,力学系を特徴づける概念であるリアプノフ指数などを概説する.また,カオスの理解に不可欠なフラクタルの概念を説明し,フラクタル次元と力学系の性質の関係を説明する.
非平衡系で見られる協同現象 4 リミットサイクル振動子が相互作用する系に見られる引き込み転移(同期現象)に関して,平均場理論および実際の適応例を示し解説する.また,スケールフリーやスモールワールドなど,普遍的に見られるネットワーク構造に関しての数理的側面を概説する. また,そのような複雑ネットワーク上の感染症の広がりなども題材として取り上げる.
非線形動力学のまとめ 1 講義内容の補足および学習到達度の確認を行う.

教科書

特に指定しない.

参考書

講義時に通知する.

予備知識

微分方程式,解析力学の基礎的な知識があることが望ましい.

授業URL

http://wwwfs.acs.i.kyoto-u.ac.jp/~aoyagi/DATA/LECTURES/LECTURES.html

その他

当該年度の授業回数などに応じて一部省略, 順序の変更,追加がありうる.