「今年から技術室がスタートします」

技術長 赤松 慎市

赤松 慎市私は今年60 才です。地球系の測量実習とともに、昨年3 月に転職された教員の研究テーマ「デジタルカメラを用いた精密写真測量」に関わってきました。1966 年に高校を卒業してから41 年間土木系にいます。就職時の実習時間は長く、学生自らトランシットやレベルの調整を行なっていました。当時でも古く分度目盛盤が直接見えるタイプです。その目盛り盤は金属製からガラス製に替わりましたが、製造中止から何年も経過し修理が難しくなっていました。私の定年が迫る一昨年、角度の読み取りが簡単な電子セオドライトに替え、退職に備えました。角度の表示はデジタルです。読み取りが簡単で実習時間は短くなりました。

今年、平成19 年4 月、5 つの工学研究科技術部技術室(1.総合建設技術室,2.設計・工作技術室,3.分析・解析技術室,4.情報技術室,5.環境・安全・衛生技術室)がスタートしました。技術職員問題W.G. の1 年半の検討を経てのことです。約40 名が在籍する教室系技術職員について次のようなことがあります。

  • 技術職員の人数が減少するなかで新しい分野の業務が増えています。環境安全や情報管理など研究室よりも大きな単位の業務を担当する人が足りません。
  • 技術職員がもたらすサービスに偏りがあります。複数の人がいる系もあればひとりもいない系もあります。
  • 技術職員の安定した確保が困難になっています。公募を出してもなかなか集まらない、就職しても短期日で転職する、といったことです。
  • 勤務場所が就職から退職まで同じです。なじみのスタッフの退職・異動などの際、新任者と意思疎通が図れない、かといって定期的に短期間で異動させれば、たらい回しと映ります。

共通業務の考え方、技術職員の必要性とその確保、働きがい、処遇の改善方法、個人評価の公平化、仕事量の公平適切な配置、業務量の実情把握、能力向上・キャリアアップの支援または道筋、処遇の退職時到達点などをW.G. で議論しました。技術職員として自立した組織が確立できないか、学部全体で一括管理できないか、その可能性を探りました。

将来像としてのものづくりセンターも視野に入れました。共通の業務がメインとなる技術室です。いつか技術室は技術支援・相談・情報・環境・工作センターになるかも知れません。これからも試行錯誤は続きますが、大学の教育研究に貢献することに変わりありません。これまでの経緯も踏まえ専攻の業務は低下させず、枠を越えた業務依頼にどんな形態で応えるか考えなければなりません。

技術室の運営は技術室長が行うことになりますが、室長に過大な負担がかからないよう皆様のご協力を仰がねばなりません。五つの技術室の紹介などは工学研究科技術部のホームページで行なう予定です。

(技術専門職員・都市環境工学専攻)

今年から技術室がスタートします

加茂川での測量実習風景