No.53 (2010.4) / 紹介 / 「桂ものづくり工房」の紹介

「桂ものづくり工房」の紹介

元技術部技術長 八田 博司

八田 博司平成19年4月より工学研究科技術部が改組発足しました。初代技術長の後任として平成20年4月より定年までの2年間を技術長として務めさせて頂き、今年4月より次期技術長にバトンタッチいたしました。

この度、当誌で貴重なスペースを頂きましたので、前技術長の役割として工学研究科技術部「桂ものづくり工房」を立上げた経緯と設備・運用についてご案内させて頂きます。

工学研究科技術部が実働できるよう改組されて3年になります。その一環として、平成20年11月に研究科長裁量経費を得て桂インテックセンター2階(211号室:78 ㎡)に「桂ものづくり工房」を開設しました。この工房は桂キャンパスの研究者をはじめ院生、学生の方々が実験に必要な小物部品や材料の加工等で思い立った時に、気楽に立ち寄って工作機械や工具を利用して頂くことを目的として設置されました。

桂ものづくり工房当工房でこれまで取り揃えてきた機械類は小型フライス盤、小型旋盤、ボール盤、帯鋸盤、グラインダー、工具類等であり、木材や金属の切削、穴開け、切断、研磨等の用途に応じて加工することが可能となっています。

利用する方への支援として、昨年4月より工作機械に精通した技術職員による常駐化(平日の9時30分から17時15分まで)を実施し、簡単な技能指導と安全性を高めることで利用の促進に努めているところです。安全対策として安全靴や帽子、ゴーグル等が完備されており、作業時の着用を励行して頂くことにしています。

工作機械の利用に際しては、技術部が月1回程度開催する技術職員による安全講習(ライセンス資格)を受講して頂く必要があります。講習時間は午後半日程度としています。利用希望者は受講終了証を取得後、技術部HP(http://tech.t.kyoto-u.ac.jp/)のスケジュール表から空き状況を確認後、必要事項を記入して申込みして頂くことになっています。これまで、安全講習受講者は累計164 名となり、月平均で20件程度の利用状況となっています。当工房の許容量はまだまだありますので、もっと多くの皆さんに活用して頂きたいと願っています。

尚、「桂ものづくり工房」の利用対象者は工学研究科の構成員です。利用資格のある者自身が工作します。工作機械等の利用料金は発生しませんが、材料については各自持ち込んで頂くことを基本としています。

桂ものづくり工房

桂ものづくり工房利用運転講習会の風景

一方、隣室には「技術相談室」(210号室)を設けています。設置の趣旨は技術部構成員が取得している技術・知識を広く研究科構成員に提供あるいは紹介することです。既相談の内容の中で当工房に関連する内容を紹介しますと次の通りです。「金属盤に長方形の穴を空け電気コード取り出し口を作りたい」、「旋盤を使用してのアクリルチューブ(20φ、t3)の切断がしたい」、「ボール盤を使用しジュラルミン板に穴開けがしたい」、「直径50mm の真鍮製ディスクに半径20mm、幅3mm、深さ2.5mm の溝を掘りたい」等々で、加工方法や加工時の安全操作について随時対応しており、利用者から感謝の声を頂いています。

しかし、相談内容によっては新たに工作機械や工具を取揃えない限り、現状では加工できない事例もあることから、利用者からの相談内容や要望を基に、優先度の高いものから、順次取揃えていく予定にしています。

「桂ものづくり工房」は開設して1年半が経過しましたが、これからはさらに利用者や利用度が増えるよう、設備とサービスの充実を図りますので、ご利用とご意見等をお願いする次第です。

(元技術専門員 物質エネルギー化学専攻)