「桂ものづくり工房」を開設

工学研究科技術部副技術長 古谷 俊二

古谷 俊二工学研究科技術部では、教職員・学生の方々に、ものづくりをする場を提供することを目的として、附属桂インテックセンター内に「桂ものづくり工房」を開設しました。

これまで桂キャンパスでは、専攻全体で共通に利用できる工作センターのようなものはなく、研究室レベルで必要とする物の製作や修理などを行うには、自前で工作機械や工具を調達するしかなく、スペースや維持管理そして安全面においても十分ではありませんでした。そこでこの度、研究科長裁量経費の支援を受けて、「桂ものづくり工房」を開設するに到りました。これにより、これまで抱えてきた問題点が解消されると共に、技術支援を受けることも可能になり、また、加工においても高精度のものが簡単に製作できるようになりました。昨年(平成20年)11月7日には、「桂ものづくり工房」とこれに併設された「技術相談室」の開設式が催されました。開設式は技術部運営委員の教員の方々や小山事務部長を始め教職員合わせて44名の出席いただく中、橘技術部長、西本前研究科長の挨拶に始まり、山路・佐藤両技術専門職員、波多野技術職員による、工作機械(フライス盤・ボール盤・両頭グラインダー・旋盤・帯鋸盤)の説明と運転披露が順次行われ、活発な質疑応答が展開され、予定時刻を越える盛大な式となりました。

桂ものづくり工房

桂ものづくり工房開設セレモニー風景

技術部では、利用者が同工房の工作機械を安全に使用することができるように、「桂ものづくり工房工作機械運転講習会」の受講を義務付け、受講修了者にライセンス証を発行することにしました。昨年11月17日~ 12 月2日の期間に、第1回「桂ものづくり工房 工作機械運転講習会」を同工房で行いましたが、120 名を超える受講希望者がありました。1グループ5名程度を2グループずつ、午前と午後に実施。講習会の講師は、技術部 設計・工作技術室の技術職員が担当し、本来の業務の合間をぬって吉田キャンパスから駆けつけました。

桂ものづくり工房

桂ものづくり工房工作機械運転講習会風景

担当した技術職員からは、「受講者から積極的な質問があり、講習会が進め易かった。また、受講者が期待している目的や加工物、材料が多種多様であることから、支援体制と設備の充実を図る必要がある。」との感想が寄せられました。また、受講者からは、「工作機械の使用上の安全な取扱いについて丁寧な説明を受けて非常に参考になった。講習内容がとても充実していた。」等の感想が寄せられ、大好評でした。この講習会終了後も、講習会希望の問い合わせが多く寄せられていますが、講師を担当する技術職員の本業との兼ね合いで、現在は、このライセンス講習会を年2回程度実施する予定にしています。

同工房の工作機械を利用するには、ライセンスを取得していることが前提で、技術部のホームページ(http://tech.t.kyoto-u.ac.jp/) 内のスケジュール表にて予約が無いことを確認のうえ、同ページから工作機器の利用申請(予約)を開き必要事項を入力し送信することが必要です。申請が受理された場合は、スケジュール表に記載されますので、申請者はそれを確認の上利用します。ルールに従いスムーズな運営が出来るようご協力をお願い致します。

桂ものづくり工房

技術相談室:室長会議風景

なお、技術部では、桂ものづくり工房が桂キャンパスにおける『ものづくり』の拠点となることが期待されていることから、同工房の周知徹底を進めるとともに、利用サービスの向上に繋がるよう技術相談室に技術職員を常駐し、技術相談や支援を行えるような体制づくりを検討しています。皆さま方の積極的な利用および工房に関するご意見・ご感想が、より充実した工房づくりに繋がりますので、ご協力をお願い致します。

(桂ものづくり工房利用: 1月5日から12月27日までの平日(土曜、6月18日を除く)午前9時~午後5時京大桂キャンパスBクラスターインテック2F211室問い合わせ:q-a@tech.t.kyoto-u.ac.jp )

なお、サテライトとして、(1)材料科学専攻 硝子デバイス開発室、(2)ローム記念館 工作室、(3)電気系 共同工作室があります。利用については、各サテライトの運用規定が適用されます。

桂ものづくり工房

桂ものづくり工房パンフレット

(技術専門職員・情報学科計算機科学コース 計算機室)