広い技術支援に向けて

有馬 博人

arima1平成19 年12 月に採用されてから、まもなく丸8 年を迎えようとしています。それまでに私は2 回転職いたしました。初めに橋梁・鉄骨専業メーカーに8 年勤務し、次に建設コンサルタントにて2 年勤務しました。初めの勤務先の橋梁・鉄骨専業メーカーでは研究開発部門に所属し主に施工試験や現場調査等をおこなっていました。当時は、鋼製橋脚の疲労亀裂が問題となっていたこともあり、それに関する業務もおこなっていました。次の勤務先の建設コンサルタントでは、主にコンクリート橋梁を対象とした有限要素法解析や温度応力解析をおこなっていました。これらの解析では設計照査として発生応力を確認したり、必要な鉄筋量を求めたりしていました。2 社の業務内容は異なりますが、一貫して橋梁に関する業務をおこなってきました。

京都大学に採用されてからは、桂キャンパスC1棟にある構造実験室の運営・管理に関する支援をおこなっています。構造実験室では主に橋梁を対象とした実験をおこなっており、前職の経験が生かせる支援先となっています。具体的は支援としては、実験の準備作業の他に、予算の管理、物品の選定とその購入、使用電力の報告や最近ではホームページの作成も手掛けています。まだまだ、構造実験室の利用講座に対して充分な支援を提供しているとは思えませんが、もう1 つの支援を考えるようになりました。それは、C1 棟とC2 棟全体に対する支援です。

C1 棟とC2 棟には地球系3 専攻(社会基盤工学、都市社会工学、都市環境工学)および建築学専攻(以下4 専攻)があり、私の他に8 名の技術職員が支援しています。それぞれの技術職員は固有の専門技術を持っており、その技術に関連した特定の研究室あるいは実験室を支援しています。4 専攻には協力講座を含めると80 近くの講座がありますが、技術職員が支援している講座はほんの一部でしかありません。そこで広く支援するための取り組みとして、今年度外部委託による学生のための玉掛け技能講習を実施いたしました。C1 棟で支援している私には、以前からC1 棟の教員からの要望がありました。一方でC2 棟で支援している技術職員にもC2 棟の教員からの要望がありました。

しかし互いに情報のやりとりをしていなかったため、それぞれで単独で実施することは困難と考え、いままで実現には至っていませんでした。ところがあるきっかけで同じような問題を持っていることがわかり、実施に向けて動き出すことになりました。5 月初旬から外部委託業者の選定に入り、8 月下旬には実施にこぎつけることができました。C1,C2 棟の講座を対象として案内したところ、10 講座、30人の教員・学生に受講していただきました。第1 回目としては、まずまずの受講人数ではなかったかと思います。5 月初旬から8 月下旬までの4 ヶ月弱という短い期間に実現できたことは、技術職員だけでの力だけでなく、周りの関係者のご協力があって実現することができました。今後は、上記の玉掛け技能講習の実施以外にも4 専攻全体への広い支援を模索し、実現に向けて取り組んていきたいと思います。

(技術部 技術専門職員)

arima2

地球・建築系技術室