編集後記

冬の朝,わが家から,琵琶湖の奥に伊吹山が見えることがあります。はっとするほどの美しさ。
 「冬は早朝(つとめて)」という枕草子の一節を思い出しつつ,寒さも忘れて見入ってしまいます。
 春になると,伊吹山が遠くに霞み,はっきりと見えることは少なくなりますが,夜明け前,あたりが少し白んでくると,手前の琵琶湖の湖面が黒から白に変わる瞬間に遭遇することがあります。
 「春はあけぼの…」
 四季折々特別な風景を眺められることは本当に幸せだと感じます。
 ところで,「枕草子」は高校で暗記したはずなのに,さて,夏と秋はなんだっけ。
 工学広報No.73 をお届けします。
 本号巻頭言では,大嶋研究科長より,研究科長として3 年目の抱負を伺いました。
 随想では,本年3 月末に本学をご退職されました教授方のうち,田畑 修氏,北村隆行氏より,研究生活にまつわる思い出等を伺いました。
 解説では,本年4 月に開館し運用を開始しました桂図書館について,2019 年度工学部長特別賞を受賞されました2 団体より,活動の概要等について,紹介していただきました。また,令和元年度工学研究科馬詰研究奨励賞受賞者を紹介しております。
 また,卒業生紹介として,新谷祐介氏より,学生生活の思い出や現在の業務等について,若手教員紹介として,徐 世博氏,太田裕通氏より,現在取り組まれている研究のことや将来の抱負について,技術部の波多野直也氏より,教育研究支援に奮闘されている様子を紹介いただきました。
 今号では,本研究科卒業生の吉野 彰氏がノーベル化学賞を受賞されたことから,田中一義氏より寄稿をいただきました。
 ご多忙にもかかわらず,原稿依頼をご快諾いただき,貴重な時間をさいてご執筆くださいました皆様に,厚く御礼申し上げます。

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