桂図書館開館

桂図書館1   平成15 年10 月の桂キャンパス開学以来,桂キャンパスでは工学研究科の5 つの図書室が運営されていましたが,この春,これら5 図書室を集約し,かつ全学的機能をもつエリア連携図書館として,新しく開館いたしました。
 この桂図書館では,従来の図書館機能に加え,研究支援サービスに重点をおき,研究室的空間とは異なる多様なファシリティによって学生の知的活動を促すとともに,学外研究者との協働を促進することを目的としたオープンラボなどの「場」を提供,また,ライティング支援,オープンアクセス支援,アーカイブ支援など,研究活動サイクルの各場面で必要とされる支援サービスを推進します。

桂図書館2■大嶋正裕工学研究科長・工学部長
 桂キャンパス開設以来16 年目でようやくこの地に図書館がオープンできることは,長くかかりましたが,それゆえにひときわ嬉しいことです。それも,通常の図書館機能に加えて,オープンラボ,リサーチコモンズなど新しい教育の在り方が探索できる部屋やメディア創作ができる部屋などを有し,図書館の新時代の機能を作り出す場として整備されており,わくわく感がとても高い状況です。あとは,皆さんがこれらの施設をどう活用していくかです。この図書館を中核として,“テクノサイエンスヒル”としての新たなレベルの桂キャンパスを作って行きましょう。

桂図書館3■引原隆士京都大学図書館機構長
 このたび,京都大学図書館機構のネットワークに,エリア連携図書館として新たに全学に資する役割を担う「桂図書館」が,開館の日を迎えましたことを心から嬉しく思います。
 世界の研究が,STEM だけでなく人文・社会科学も含めて,オープンアクセス,オープンデータを前提としたグローバルな取り組みに急激に変化する中で,京都大学図書館機構は研究・分野融合,産学・地域連携,国際連携を支援する取り組みが重要となっています。桂図書館は,研究成果の発信,研究データマネージメントの実践的な取り組みと,その場をネットワーク上に広く提供し,新たな学術分野を生み出す研究図書館に成長することが期待されます。今後様々な試行的取り組みを通じて,研究活動のグローバル展開への入り口となることを,強く期待しております。


■鈴木基史副研究科長(図書担当)
 完成した新しい桂図書館を見て,私は学生時代に開館した附属図書館を思い出しました。それまで私にとっての図書館は,ハードカバーの分厚い本が並んでいる場所というイメージでした。新しくできた図書館にはバックナンバーセンターが新設され,100年も昔の学術論文が移動式の書庫にぎっしりと並んでいるのを見た時,自分が研究者の世界の入り口に立った気がしてワクワクしました。今,桂図書館にくる学生や若い研究者にも,私と同じ様なワクワク感を抱いてもらうことができれば と思います。メディアクリエーションルームやオープンデータ支援など,桂図書館ならではの機能を充実して新しい図書館像を構築するために,引き続き工学部・工学研究科のご支援をいただきたくお願いします。