科目名 : 水文学基礎

科目コード 30300
配当学年 3年
開講期 前期
曜時限 火曜・5時限
講義室 共通155・共通1
単位数 2
履修者制限
講義形態 講義
言語 日本語
担当教員 寶・立川・萬

講義概要

水は、太陽エネルギーと重力エネルギーによって絶えず地球上を巡っている。これを水の循環という。海や陸から蒸発した水は雲となり、これが雨や雪となって地上に降る。その一部は再び蒸発し、残りは河川水や地下水となってやがて海に戻る。この地球の水の分布・循環構造を明らかにし、洪水・渇水などの水災害の軽減・防止や適切な水資源開発を行うための基礎として水文学がある。本講では地球表面付近の水・熱の循環過程、すなわち、放射、降水、蒸発散、遮断・浸透、地表面および土壌表層・地中での雨水流動、河道網での流れなどの現象を解説し、それらを適切に数理モデル化する方法を講述する。

評価方法

毎回、講義の開始あるいは終了時に理解度を確認するための小テストを実施するか、レポート課題を与える。期末試験,レポート課題および小テストを総合的に勘案して成績を評価する。

最終目標

水文素過程の基礎式を理解し、それらの現象を物理的に分析することができる能力を身につけること、水文素過程の理解を基本として水工計画の基礎を習得すること目標とする。

講義計画

項目 回数 内容説明
水文学とは 1 水文学の学問領域、地球工学との関わり、その意義について解説する。
降水 1 降水の発生機構を解説する。次に、降水発生の物理機構に基づく降水の数値シミュレーションモデルを概説し、地上雨量計およびレーダ雨量計による降水の観測原理を解説する。
放射、熱収支と地球温暖化 2 日射と大気放射による熱エネルギーの伝達・循環の機構を解説する。また、地球温暖化の原理とその水循環への影響について解説する。
蒸発散 3 蒸発散による水・熱循環過程を解説する。地表面における熱収支、大気境界層における風の理論を示し、それらを基礎とした蒸発散量の測定法と推定法を解説する。
降水遮断・浸透 1 樹木による降水の遮断過程とそのモデル化手法を解説する。次に、地表面に到達した雨水が土層中を浸透する過程の基礎式を誘導し、浸透能式について解説する。
斜面流出 4 斜面における雨水流動の基礎式を解説する。特に、斜面流れに対するキネマティックウェーブモデルを誘導し、その解析法を示す。また、キネマティックウェーブモデルを基礎とした斜面流出機構のモデル化について解説する。
河道網構造と河道流 1 河道を通した雨水の流下過程を解説する。河道の接続形態に応じて河道流を追跡することが物理的な水文モデルの骨格となる。そこで、まず河道の接続形態を合理的に数理表現する手法を示す。次に、河道での流出を表現する数理モデルについて解説する。
流出モデル 1 水文素過程を総合した物理的な流出モデルを解説する。流出モデルとは、流域の水循環を再現・予測する数理モデルであり、これまでに取り扱ってきた水文素過程を要素とする分布型物理流出モデルを中心に解説する。
学習到達度の確認 1 本講義の内容に関する到達度を確認する。

教科書

池淵周一・椎葉充晴・宝 馨・立川康人:エース水文学, 朝倉書店, 2006 .

参考書

椎葉充晴・立川康人・市川 温:例題で学ぶ水文学, 森北出版, 2010.

予備知識

確率統計解析及び演習(2回生前期)、水理学及び演習(2回生後期)を履修していることが望ましい。

授業URL

http://hywr.kuciv.kyoto-u.ac.jp/lecture/lecture.html

その他

オフィスアワーは設けない。質問は講義後、あるいはメールで受け付ける。メールアドレスは講義時に伝える。