佐野 光

略歴

2004年3月 京都大学工学部物理工学科 卒業
2006年3月 京都大学大学院工学研究科 修士課程材料工学専攻 修了
2009年3月 京都大学大学院工学研究科 博士後期課程材料工学専攻 修了
2009年4月 (独)産業技術総合研究所 特別研究員
2011年4月 (独)産業技術総合研究所 研究員
2015年4月 (国研)産業技術総合研究所 研究員 ※法人名称変更
2015年10月 (国研)産業技術総合研究所 主任研究員

メッセージ

佐野 光

■現在の職務内容について
リチウムイオン電池の研究を行っています。吉野氏がノーベル化学賞を受賞したことで、最近特に注目を浴びています。また、電気自動車の実用化に向けて、全固体電池を含む、いくつかの新しい電池系の開発が最近盛んになっています。私もこれらの研究開発に取り組んでいます。京都大学の先生方にもこの分野で活躍なさっている方がいます。 

■博士学位を取得しようと考えた動機
修士1年生の時に、企業へのインターンシップに参加したリ、周りの同期と話している中で、自分は研究が好きだと実感し、進学を決意しました。

■博士学位の取得の意義について
博士学位を取ると、多くの人は、周囲には博士学位をとった人ばかりがいるような環境にいるので、なかなかその意義を感じにくいかもしれません。しかし、博士学位の取得した人は、その過程で、研究能力をより高めることができていて、それが博士学位の取得の意義であると思います。 

■進学の際の不安について
多くの人にとって、進学した後の将来構想、キャリアパスが不明確であることが、不安だと思います。博士学位を取得した後の道としては、ポスドク、大学の先生、民間への就職、などがあります。民間には研究所を内包していたリ、研究所を持っているところもあります。また、産総研のような公的研究機関もあります。世間で一般的な学士や修士からの民間への就職に比べて、アカデミックな道に進むことの情報が足りないことは確かに不安につながります。周りの先輩や先生に、進学後のキャリアパスについていろいろ聞くことができれば、その不安の一部は解消されると思います。

■後輩へのメッセージ
博士課程に進んだからといって将来が約束されているわけではなく、むしろ学部卒や修士卒で民間に就職したほうが良いように思えるかもしれません。ご自身が、どうありたいかを考えてみてください。また、他人は他人、自分は自分ですが、先輩の話は聞かないよりは参考になると思います。是非いろんな人の話を参考にしてください。また、人生の分かれ道は博士課程への進学の時だけでなく、その先にもたくさん待ち受けていますので、その時も是非、人生の先輩の話を参考にしてください。

 2020年5月掲載)