久保 勝誠

略歴

2014年3月 群馬工業高等専門学校 専攻科 環境工学専攻 修了
2016年4月 京都大学大学院 工学研究科 修士課程 分子工学専攻 修了
2019年3月 京都大学大学院 工学研究科 博士後期課程 分子工学専攻 修了
2019年4月 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 入社

メッセージ

久保 勝誠

■現在の職務内容について
次世代ディスプレイ用材料として注目されている有機EL材料の研究開発に携わっています。博士課程で学んだ計算化学分野の経験を活かし、ハイスループットな材料開発を実現するための計算技術開発や、特性発現メカニズムの解析を主に担当しています。

■博士学位を取得しようと考えた動機
私の出身研究室である化学研究所の梶研究室は、計算による分子設計、合成、デバイス評価、解析の多角的アプローチで研究を進めています。修士2年間ですべてを経験することはなかなか難しく、修士2年の時点で手を出せていなかったシミュレーションの研究テーマに腰を据えて挑みたいと思ったのが博士課程進学の決め手です。

博士学位の取得の意義について
自分の興味を自由に深堀りした成果によって、学問が少しだけ発展しうるというのが博士学位の大きな意義と考えます。キャリアパスの観点では、大学・研究機関・企業といった多くの選択肢を選べる点がメリットです。私は企業の道を選びましたが、将来的に大学を含めた様々な形で、研究者としてのキャリア形成の可能性があるところが良い点だと思います。

■進学の際に不安に感じていたこと
修士まで一緒だった同期たちが次々に就職を選び、企業人として活躍し始める中、自分だけまだ学生であるという漠然とした不安はありました。しかし、いざ就職してみれば、若手でもプロとしての見解を問われるなど、期待感をもって扱われるため、この3年は決して無駄ではないと感じます。

■後輩へのメッセージ
企業に入ってみると、博士学位取得者が意外と多かったりします。アカデミアだけでなく、企業で活躍するにも博士学位はメリットがあり、取得して損はないと思います。研究が面白い、自分の興味を好きなだけ探究してみたいと考えているならば、博士進学を検討してみてはいかがでしょうか。

 2021年4月掲載)