濱村 一航
略歴
2015年3月 京都大学工学部物理工学科 卒業
2017年3月 京都大学大学院工学研究科修士課程原子核工学専攻 修了
2020年3月 京都大学大学院工学研究科博士後期課程原子核工学専攻 修了
2020年4月 日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所 入社
メッセージ
■現在の職務
IBMの東京基礎研究所で量子コンピューターの理論研究とソフトウェア開発をやっています。現在の量子コンピューターをノイズがある中でどのようにうまく利用するのかを調べたり、量子コンピューターのソフトウェアQiskitの開発に貢献したりしています。
■博士学位を取得しようと考えた動機
高校生の頃から量子コンピューターに関する研究・開発に携わりたいと思っていました。量子コンピューターは現在では多くの注目を集めていますが、当時はそれほど注目されていませんでした。そのため、量子コンピューターを仕事にするためには博士学位があると良いだろうと考え、博士後期課程に進学しました。
■博士学位の取得の意義について
博士学位は研究者の免許証のようなものです。世界で研究者として認められ仕事をしていくのに必要だと感じます。論文の読み方・書き方、テーマの見つけ方、問題の解決の仕方、(英語を含めた)プレゼンテーション、プログラミングの能力など多くのことを博士後期課程を通じて学んだと思います。また、博士後期課程へ進学していなければ、現在勤めているIBMとも出会うことはなかったですし、いろいろなめぐり合わせもあるとは思いますが、現在の自分はなかったのだろうと思います。
■進学の際不安に感じていたこと
金銭面の不安はありましたが、幸い京都大学工学研究科の博士後期課程学生支援制度や、日本学術振興会の特別研究員などに助けられ、生活をすることが出来ました。
■後輩へのメッセージ
博士後期課程への進学は非常に迷うこともあるかもしれません。私のように修士課程から直接進学する人や、社会人になったあとに博士後期課程に進学する人もいれば、論文博士を目指す人もいると思います。もしかすると金銭面の不安があるかもしれませんが、博士後期課程の学生を支援する制度は上で言及したもの以外にもいくつもあります。様々な選択肢を調べ検討し、皆様にとって後悔のない選択ができることを願います。
(2022年5月掲載)