竹内 紗綾

略歴

2008年3月 京都大学工学部工業化学科 卒業
2010年3月 京都大学大学院工学研究科 修士課程 物質エネルギー化学専攻 修了
2013年3月 京都大学大学院工学研究科 博士後期課程 物質エネルギー化学専攻 修了
2013年4月 アメリカ 国立標準技術研究所 客員研究員
2021年1月 メリーランド大学 Assistant Research Scientist

メッセージ

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子供の頃から環境問題に関心があり、4回生で研究室を決めるときに電池が良いと聞いて、電気化学を学びました。学部4回生から現在まで、電池材料の基礎研究をしています。

世界トップの研究室で経験を積み、深く多角的な面から考えることを身に着けたことは、アメリカでも非常に役に立っています。アメリカの大学では、専門でないところは他の研究室にお願いするのが主流です。専門の人に頼んだ方が効率は良いですが、論文を書くためのプロセスとして最初から最後まで自分の手でやれるというのはある種のラグジュアリーです。それくらい幅広く経験させてもらえる環境だったからこそ、場所が変わっても柔軟に対応でき、物理や生物という自分の専門外の人とも仕事ができるようになったのではないかと思います。

私が渡米したのはアメリカで生活したいと強く思っていたからですが、勝手が分からず、ビザ問題も含め色々苦労をしました。一方で、研究職のお母さんたちがいたり、毎日子供のお迎えに行くために時間をずらして働くお父さんたちもいて、人生を考える上でプラスになりました。私も二人の子育てをしながら仕事をしていますが、沢山の先輩たちのお陰で恵まれた環境で仕事ができていると思います。アメリカは自分の生活があってこそ仕事も充実するという文化があるので、その点は日本も見習っていくべきところがあると思います。

博士課程に進学することに不安もあるかもしれませんが、今ある環境を生かし切っていけば、どこかに道は開けるものではないかと思います。そのためには、興味があることに没頭する一方で、他分野の友達とも積極的に関わっていってください。最近、京大の文学部や経済学部出身で博士を取った先輩や後輩と話をする機会があり、仕事では関われない人とも気軽に話ができる豊かさを感じました。多様な分野、多様な性格の人と出会える京大という環境を満喫してください。

 2024年3月掲載)