先生からのメッセージ(建築学科)

氏名・所属

杉野先生

杉野 未奈
建築学専攻 准教授
(2022年4月1日現在)

研究内容について

伝統木造建物を地震の揺れから守るには?
日本各地、特に京大のある京都には多数の寺社仏閣や京町家といった伝統木造建物が現存しています。一方、日本では甚大な建物被害を及ぼした地震が過去に起きていますが、そのような大地震が今後も起こる可能性があります。私は、大地震での伝統木造建物の被害を最小限に留めるべく、伝統木造建物はどのような地震の揺れに対してどのように抵抗するのか、有効な対策についてなど、調査・実験・解析を通して研究しています。また、江戸時代以前にも京都周辺で大地震が幾度かあり、被害記録が残るお寺もあります。当時の地震被害を分析することで、今後の地震対策に活かしたいと考えて研究しています。

伝統木造住宅を模した試験体の加力実験
伝統木造住宅を模した試験体の加力実験

先生に質問!

■なぜ研究者の道を選んだのですか?
4回生で研究室に配属された時点では、研究者になることを考えていませんでした。研究室に入ってから、地震の被害調査や現存する伝統木造建物の構造調査、大規模な実験など、様々な機会を与えていただき、今後も研究を続けて深めていきたいと徐々に考えるようになりました。

■高校の理系科目と、現在の研究内容との繋がりは?
地震時の建物の揺れ方は複雑です。しかし、高校物理で登場するばね振り子のように建物を1つのばねと1つの質点と考えて、正弦波のような単純な波で揺らすことでも、どのような建物の特性や地震の揺れで建物の応答が大きくなるのかを大まかに理解することができます。

■京大工学への進学を検討している人へのメッセージ
京大工学では、1つの学部内にも様々な専門分野の第一線で活躍される先生方がいらっしゃいます。また、様々な実験設備などもあります。明確にやりたいことが決まっていなくても、京大工学の充実した環境にまず飛び込んでみることで、興味が湧くものが見つかるかもしれません。

お城(天守の床下)の調査
お城(天守の床下)の調査