先生からのメッセージ(情報学科)

氏名・所属

森本先生

森本 淳
情報学研究科システム科学専攻 
教授(2022年4月1日現在)

研究内容について

ロボットが学ぶ。より良く行動する。
人間のように複雑な身体を持つロボットが,限られた経験・データから巧みに学習し,より良く行動するための方法論について研究しています.そこでは強化学習の考え方が基礎となります.「強化」は,心理学の言葉です.動物がある状況で特定行動を取ったときにえさなどの報酬を得ると,再びその状況となった時,その特定の行動を取る頻度が高くなる,つまり報酬によって状況と行動の関係が強化されるというものです.ある目的をロボットに与えたとき,ロボットが試行錯誤を通じて自らデータを集め,その目的を達成する(多くの報酬を得る)ための行動戦略を学習します.

ヒト型ロボットが経験から学ぶ
ヒト型ロボットが経験から学ぶ

先生に質問!

■今後の京大工学には社会からのどのような期待があると思われますか?
目の前の技術的な問題の解決ではなく,何十年も先の未来を創るためのアイデアを生み出すことが期待されていると思います.情報をいかに自らの行動や意思決定に活かすべきなのか,数理的思考によって究明できる人材の育成を目指しています.

■高校の理系科目と、現在の研究内容との繋がりは?
数学は重視される科目で,情報学科内のいずれの研究室でもその基礎力が求められると思います.特に人工知能・機械学習分野では確率・統計の考え方が役立ちます.ロボティクスの分野では,物理の中でも力学の単元を身につけておくことが有用です.

■京大工学への進学を検討している人へのメッセージ
研究にはあらたな道を切り拓く楽しみがあります.一方で,学校のカリキュラムは先人の努力によって得られた知見を洗練された形で伝えるように整えられています.すでに明らかになっている事柄を深く理解し,解けていない問題に挑戦するための実力を身につけてほしいと思います.

アスリートのような動的な動作を身につける
アスリートのような動的な動作を身につける