先生からのメッセージ(理工化学科)

氏名・所属

横山先生

横山 悠子
物質エネルギー化学専攻 助教
(2022年4月1日現在)

研究内容について

燃えカスを自然のエネルギーで燃料に!
「再生可能エネルギー発電」とは、太陽光発電や風力発電に代表される自然エネルギーを電気エネルギーに変える発電方法です。この発電方法では日々大きく変動する自然エネルギーによる発電量と、実際に使う電気エネルギーの消費量を一致させる必要があり、この問題が普及のためのネックとなっています。そこで、余った電力を電池や電気分解といった電気化学反応を使って化学エネルギーとして貯蔵し、足りない時に再利用することが考えられます。私はこの中でも二酸化炭素に着目して燃料というかたちで貯蔵することを目指しています。二酸化炭素を電気化学反応を利用して燃料に変換できれば、電力以外の方法で再利用することも可能です。二酸化炭素は物が燃えたときにできます。つまり、燃えカス(=エネルギーの低いもの)なのです。これに再生可能エネルギー由来の電気を使って燃料(=エネルギーの高いもの)に電解還元します。私は、この二酸化炭素の電解還元による燃料への変換に着目し、反応の場である電極表面で起こることを詳細に調べて、より効率的に二酸化炭素を還元するための電解液の仕組みを研究しています。

電気化学実験装置
電気化学実験装置

先生に質問!

■京大工学でのワークライフバランスはいかがですか?
4歳になる娘がおり、家での時間も仕事も両方を大切にしたいと思っています。幸い周囲の理解もあり、また研究者という職は1日の計画や働く時間をある程度自由に決められるので、働きやすいかなと思います。ただ、1日は24時間しかないので効率良くこなすことを目指しています。

■高校の理系科目と、現在の研究内容との繋がりは?
現在の研究に関係するところで高校化学で学ぶ範囲としては、電池や電気分解の分野がもちろんメインですが、酸や塩基・化学平衡や反応速度・無機化学と化学全般の知識も使います。また現象の理解には数式が欠かせません!微分積分や確率など数学もとても役にたっています。

■京大工学への進学を検討している人へのメッセージ
世界では異常気象や資源の枯渇などたくさんの解決すべき問題があります。そういった問題を自分のアイデアで解決できるかもしれないと思うとわくわくしませんか?もちろん問題解決のために立ちはだかる謎はたくさんでてきますが、その謎解き(=研究)を一緒に楽しみましょう。

グローブボックスを用いた作業
グローブボックスを用いた作業