稲生 朱音

略歴

2014年3月 京都大学工学部工業化学科 卒業
2016年3月 京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻修士課程 修了
2020年3月 京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻博士後期課程 修了
2020年4月 兵庫県立大学大学院工学研究科応用化学専攻 特任助教

メッセージ

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現在は兵庫県立大学で電池材料の研究をしています。仕事内容はプロジェクト関連のテーマについて自分で実験してまとめる、というのが主です。その他学生さんの研究指導の補助をしたりしていますが、授業は担当していません。

3回生の時に研究室紹介を兼ねた授業で電池に興味を持ったのがきっかけで、4回生から工業電気化学分野の研究室で学びました。当時は博士課程への進学は考えていませんでしたが、修士課程修了後企業に就職したもののすぐに退社してしまったこともあり、とても後ろ向きな理由で博士課程に進学しました(何の相談もなしに急に辞めて戻ってきて、先生には本当に申し訳なかったと思っています)。学位の取得までは結局半年延長することになりましたが、先生方はもちろんのこと、学生の皆さんにはディスカッションしたりアドバイスをいただいたりと本当によくしてもらったおかげで何とか最後まで乗り切ることができたのだと思います。

博士課程まで行くと就職先に困るとよく聞くと思います。Googleにも博士に進学した人の悲惨な末路というようなタイトルの記事をたまにおすすめされ、余計なお世話だなと思うことがありました。しかし、実際のところ進路が決まらなくてどうしようもなくなった人は周りには誰もいませんでした。アカデミアに残るにしても企業に行くにしても早めに進路について考え行動しておくのは重要だとは思いますが、それは学部卒・修士卒でも変わらないのではないでしょうか。

博士課程に進学するとかなり人生の回り道をすることになるのではと不安に思うかもしれません。しかし、私のように研究を続けたいという強い意志を持って進学したわけではない人間でも現在なんとかなっているので、少しでも興味があれば気負いせず進学してみるのも良いと思います。

 (2024年5月掲載)