奥中 さゆり

略歴

2008年3月 同志社大学 工学部 機能分子工学科 卒業
2010年3月 同志社大学大学院 工学研究科博士前期課程工業化学専攻  修了
2010年4月 TOTO株式会社 入社
2016年3月 京都大学大学院 工学研究科博士後期課程物質エネルギー化学専攻 修了
2019年4月 国立研究開発法人産業技術総合研究所 入所
2023年4月 東京都市大学 理工学部 応用化学科 准教授

メッセージ

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現在、東京都市大学理工学部応用化学科の准教授として研究室を主宰しています。光触媒や電解触媒に関する研究を進めるほか、講義や学生実験も担当しています。

私は、修士課程当時、アカデミアへの憧れや、学会の楽しさを感じることはありましたが、卒業後は企業に就職という道を選びました。ただ、運良く、研究所に、しかも大学の研究に近いテーマを推進するチームに配属できたおかげで、上司や同僚にも恵まれて研究に携わることができました。企業なので、自分がやりたい研究だけに携わることができないリスクがある中で、上司が立ち上げた人工光合成に関する研究にどハマりし、毎日の仕事が楽しくて仕方なく、研究の面白さに目覚めてしまいました。そこで、専門性を高め学位を取得したいという思いに溢れて博士課程(社会人コース)進学を決意しました。

博士課程では、0→1をつくるという研究のクリエイティブな部分、そして、まとめ方やインパクトの出し方など味付けの部分を、指導教官や会社の上司から学ぶことができました。同時に、研究を楽しむことやフェアな精神など、研究を進める上で大切な スピリッツを多く学ばせていただいたと思います。

私の場合は、企業で研究しているうちに、『研究の道で勝負してみたい!』と思うようになり産総研に身を移しましたし、その後『学んできたことを後身にも伝えたい!』と思い大学に移りました。産学官どの機関でも、博士課程で身につけたスキルを活かすことができています。

研究が面白いと思ったら、博士課程まで進学して、知識を深めてみてはいかがでしょうか。進学のタイミングは、興味を持った時で良いと思います。この先、何か興味を持つことができた時、それを深く知って身につけるというプロセスは、研究以外のことでも生きてきます。また、それらの経験を通じて出会う方々から刺激を受けることも多いので、ぜひ、何か没頭できるものを探してみてほしいなと思います。

 (2025年5月掲載)