重光 勇太朗

略歴

2019年 3月 京都大学工学部地球工学科 卒業
2021年 3月 京都大学大学院工学研究科修士課程都市社会工学専攻 修了
2024年 3月 京都大学大学院工学研究科博士後期課程都市社会工学専攻 修了
2024年 4月 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構入構 主事
2025年 4月 同機構 研究開発職員

メッセージ

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私は2024年6月より、地球観測研究センター(Earth Observation Research Center; EORC)にて研究開発に従事しております。京都大学在学中からの研究テーマである、地球観測衛星データを利用して地震や火山噴火、地盤沈下等による地表変動を推定する手法の応用、高度化に関する研究に取り組んでいます。利用している地球観測衛星は主に合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar; SAR)と呼ばれる、マイクロ波を使って能動的に観測を行うことが可能なセンサを積むSAR衛星です。弊機構では「だいち2号(ALOS-2)」が2014年から現在まで運用されており、2024年7月1日には「だいち4号(ALOS-4)」が打ち上がり、軌道投入に成功しました。だいち4号は従来よりも観測幅が約4倍になったため,高頻度に観測を行うことが予定され、災害発生時の緊急観測に大きく貢献することが期待されます。私も自分の研究を通じて学術的な貢献を目指すことはもちろんのこと、機構職員として次世代のSAR衛星開発に向けて微力ながらも尽力する所存です。

学士の頃には博士課程へ進学することは選択肢にもなかった自分が、現在こうして博士課程を修了後も研究を継続していることは今でも信じ難いことです。修士2回生の半分が過ぎた頃、修了後に研究活動から遠ざかることに違和感を覚え始めました。今思えば、その頃になって漸く研究の楽しさ、奥深さに気づくことができたのだと思います。在学中には分からなかったことですが、自由な研究テーマを設定し自分の興味のある方向に猪突猛進できたかけがえのない時間は、京都大学の自由な学風と工学研究科の先生方のご指導があってのものだったのだと感謝の念に堪えません。

研究室生活では、先輩、同期、後輩と公私様々なことについて室内のホワイトボードの前で侃侃諤諤と議論しました。博士学位を取得してよかったことは様々ありますが、研究に熱中しそれに応えてくれる仲間が周りにいて、その研究成果を世に出せたことが最大の喜びの一つです。これから博士課程を目指すか迷う方がいましたら、エイヤッ!と博士課程に飛び込んでみてください。

 (2025年6月掲載)