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【研究成果】糖鎖の違いで糖タンパク質を見分ける新技術―抗体分離,ウイルス変異検出の高度化―

掲載日:2022/04/27

オプジーボに代表される抗体医薬品は、近年全世界で研究開発が活発化しています。抗体はタンパク質と糖鎖で構成されており、通常、そのタンパク質の違いのみで見分けられて分離・精製されています。そのため、現在利用されている抗体成分には、異なる糖鎖が含まれている可能性があります。さらに、昨今のコロナウイルスに関しても、変異種のスパイクタンパク質の糖鎖構造が異なることが報告されています。一方で、既存の分離技術では、糖タンパク質(抗体もスパイクタンパク質も)を糖鎖の違いで分離することはできません。

材料化学専攻の 久保拓也 准教授と 大塚浩二 同教授は、化学研究所 高谷光 准教授(研究当時、現:帝京科学大学教授)、信和化工株式会社 小林宏資 氏らの共同研究グループで、糖タンパク質を糖鎖で見分ける新たな分離手法を開発しました。糖鎖と特異的に作用するボロン酸誘導体とポリエチレングリコールの複合体を用いた分離剤を開発し、糖タンパク質の選択的分離に成功しました。本技術は、今後、薬効の高い抗体医薬品開発やウイルス変異種の迅速な検出など、幅広い分野における応用への発展が期待されます。

本成果は、2022年4月26日(現地時刻)に国際学術誌「Analytical Chemistry」にオンライン掲載されました。

 画像

図 ポリエチレングリコールの先のボロン酸誘導体が糖タンパク質の糖鎖を捕まえるイメージ図

詳しい研究内容について

糖鎖の違いで糖タンパク質を見分ける新技術 ―抗体分離,ウイルス変異検出の高度化―

研究者情報

久保拓也 京都大学教育研究活動データベース

大塚浩二 京都大学教育研究活動データベース

論文情報

【タイトル】
 Separation of glycoproteins based on sugar chains using novel stationary phases modified with PEG-conjugated boronic-acid derivatives
 (ポリエチレングリコール複合型ボロン酸誘導体を修飾した新規分離剤を用いた糖鎖に基づく糖タンパク質の分離)

【著者】
 Hiroshi KOBAYASHI, Yusuke MASUDA, Hikaru TAKAYA, Takuya KUBO, Koji OTSUKA

【掲載誌】Analytical Chemistry
【DOI】https://doi.org/10.1021/acs.analchem.2c01002

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材料化学専攻
大塚研究室