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【研究成果】正立方体型分子から六面体かご型分子へと骨格を変えることに成功

掲載日:2022/06/24

材料化学専攻の 松原誠二郎 教授と竹邊日和 同修士課程学生の研究グループは、高対称正立方体分子(キュバン)から、非対称六面体かご型分子(クネアン)への「変形」を行う骨格異性化反応で、不斉誘導が起こることを世界で初めて示しました。正立方体分子(サイコロ型)であるキュバンは、種々の医薬分子におけるベンゼン骨格の代わりに導入され、薬理効果を向上させることで注目されています。対頂線上に二つ置換基があるキュバンは、高い対称性を有しており、この骨格に不斉環境を構築するにはさらに二つ以上の置換基を制御しながら導入する必要があります。しかし、今回特殊なパラジウム錯体を用いることで、キュバン骨格中の二本の炭素-炭素結合を選択的に組み変え、非対称化した六面体かご型分子クネアンを鏡像異性体比最大89/11で一方の鏡像体にすることに成功しました。本研究は、不斉合成の新しい手法を示すだけでなく、キュバン導入により活性が改善される薬物分子に、さらに不斉環境を容易に設定することを可能にします。このようにして得られる六面体かご型分子クネアンは、光学活性分子としての可能性を新たに示すことになります。

本成果は、2022年5月31日に国際学術誌「European Journal of Organic Chemistry」にオンライン掲載されました。

【研究成果】_正立方体型分子から六面体かご型分子へと骨格を変えることに成功

高対称性正立方体炭化水素キュバンは、図中の形でも光学活性を示せない。キャンディーを包む際、右に捻るか、左に捻るかで鏡像異性の関係がでるように、キュバンの捻れ変形方向を右か左に制御できればクネアンの不斉合成が可能になる。今回Pd-ピンサー錯体の利用で実現している。

詳しい研究内容について

正立方体型分子から六面体かご型分子へと骨格を変えることに成功

研究者情報

松原誠二郎 京都大学教育研究活動データベース

論文情報

【タイトル】
 Catalytic Asymmetric Synthesis of 2,6-Disubstituted Cuneanes via Enantioselective Constitutional Isomerization of 1,4-Disubstituted Cubanes
(1,4-二置換キュバンのエナンチオ選択的構造異性化による2,6-二置換クネアンの触媒的不斉合成)

【著者】
 Hiyori Takebe and Seijiro Matsubara (竹邊日和・松原誠二郎)

【掲載誌】European Journal of Organic Chemistry
【DOI】10.1002/ejoc.202200567

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