京都大学採鉱冶金系同窓会・水曜会の紹介

水曜会会長 粟倉 泰弘

粟倉 泰弘水曜会は採鉱冶金学教室が創設された明治31(1898)年の1年後から、洋書輪読会が水曜日に行われるようになったことに由来している。最初の約10年間は会則も会誌もなかったようであるが、明治41(1908)年に水曜会誌が創刊され、同時に水曜会規則が制定された。

明治42(1909)年には教室創設10周年記念祝賀会が開かれ、この年新入生歓迎会として比叡山登山が始まっている。正門を早朝出発し比叡山の宿坊で食事を取ったり宿泊したりするもので、教官と学生のコミュニケーションの場であったようである。これが登山競争となるのは大正10年で、教室対抗となるのは昭和30年代半ばである。なお、平成5年から大学院重点化に伴う学部改組により、学部3回生になって初めて専門コース(旧教室に相当)が決る体制になっているため、新入生を学部1回生で水曜会員に固定することは出来ないため、現在水曜会の新入生歓迎会は中断している。

現在、水曜会の事務局は京都大学大学院エネルギー科学研究科のエネルギー応用工学専攻に置いている。会員は基本的に大学院重点化前の工学部資源工学、冶金学および金属加工学教室の卒業生、元教員、現教員で構成されているが、大学院から上記の教室で修士・博士の学位を取得した者は大学院修了時に会員となる。さらに、教室に関係の深い若干名の方々が名誉会員としておられる。大学院重点化後の改組により現在では工学部地球工学科の関連コースの卒業生、物理工学科の材料科学コースの卒業生およびエネルギー応用工学サブコースの一部の卒業生が基本的に新入会員となる。また、これらの各コースに関連する工学研究科およびエネルギー科学研究科の大学院修了者も新入会員として迎えている。現在、約5500人の連絡可能な会員を有している。

水曜会の目的は「京都帝国大学理工科大学採鉱冶金学教室ノ教官、卒業生、学生等ノ相互懇親ヲ謀リ、且ツ専門ニ関スル知識ヲ錬磨スルニアリ」と創設当時の会則にある。時代は変わっても趣旨は同じであるが、現在の会則では「資源、エネルギー、環境および材料に関する学問、技術並びに経済の発展に寄与し、会員相互の親睦を図る」となっている。これからは教員、卒業生、学生が一体となった大学の運営システムの補助機能として、ある種の役割が期待されている。

年間会費は2000円で、この会費収入が水曜会運営の財源になっている。

水曜会の活動を簡単に紹介する。年1回の6月の第1土曜日に総会を時計台百周年記念館あるいは京大会館で開催している。近年は総会当日の午前中に水曜会関連の研究室の活動をポスター展示するほか、教室ゆかりの歴史的事物の展示を行っている。かつては日本鉱業会関西支部との共催で研究発表会を行った経緯もある。昼食時には午餐会、引き続き記念撮影会を行い、総会の後には斯界で活躍しておられる卒業生の方の特別講演会を開催している。

定期刊行物として、上に述べた水曜会誌を年1回刊行している。内容は卒業生の投稿記事、水曜会大会での特別講演、新任教員の紹介記事、定年退職教員の特別記事、水曜会関連の研究室の活動内容、卒業特別研究や修士・博士学位論文のタイトル、各学年の同窓会記事、同窓生の消息記事等で、会員に郵送している。

また、会員相互のコミュニケーションの向上を図るため、2年に1度名簿を発行している。より詳しい水曜会の活動については、下記のwww サイトを参照されたい。

水曜会HP(http://www.mtl.kyoto-u.ac.jp

(教授・材料工学専攻)

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懇親会
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ポスター

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