山林遭難者の人命救助協力

全学公認団体「アウトドアサークル DOWNHILL」

 アウトドアサークル DOWNHILL は,サイクリング,登山,キャンプなど,様々な野外活動を行うサークルです。

 5 月19 日,サークルの新歓(新入生歓迎イベント)として,廃村となった八丁(京都市右京区京北)へ登り,キャンプを楽しみました。その帰路,私は他のメンバーとは別のルートで下山していました。登山道は,台風などによる倒木や崩落のため荒れており,道の区別がつきにくい状態だったため,足元や周囲に注意しながら歩いていると,エマージェンシーシートにくるまった男性を発見しました。

 男性に声を掛けると,意識はありましたが,崖から落ちて動けず一週間ほど経っているということでした。とっさに持っていたキャラメルを渡して,「絶対救助呼びますから。」と伝え,救助要請をするために現場を離れました。

 現場は山深く,携帯電話が繋がりません。一刻も早く救助要請するためには,携帯電話が繋がる可能性が高い尾根に上がるしかないと判断し,30 分ほど夢中で登りました。しかしながら,電波は微弱で通話ができる通信状態ではなかったため,LINE のメッセージなら送信できるかもしれないと思い,先に下山した仲間に遭難者の状況や位置情報を送り,通報を依頼しました。自分でも場所を変えて何度も通報を試みました。

 その後,下山した仲間の通報と協力のおかげで,消防隊員の方と合流することができ,現場まで案内しました。しばらくして救助隊の本隊も到着し,男性は無事救助されました。

 このような場面に出会うことは滅多にありませんが,男性が無事であって本当によかったと思います。

 工学部の人間として,また,山を愛する人間として,命を守り人を幸せにする科学技術の発展に寄与したいと思います。

(工業化学科 3 回生 若松 岳)

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