科目名 : 人間行動学

科目コード 10F219
配当学年 修士課程・博士後期課程
開講期 前期
曜時限 月曜5時限
講義室 C1-172
単位数 2
履修者制限
講義形態 講義
言語 日本語
担当教員 藤井聡

講義概要

 土木計画や交通計画の策定行為,ならびに,その運用をより適切に行うためには,諸計画が対象とする人間の行動を,その社会的な文脈を踏まえた上で十分に理解しておくことが極めて重要である.なぜなら,現在の諸計画の策定にもその運用にも,それに関与する様々な一般の人々の心理と行動が多大な影響を及ぼしているからである.
 本講義ではこうした認識の下,国土計画,都市計画,土木計画,交通計画等に関わる諸公共政策に資する,人間の社会的行動,およびそれに基づく社会的動態を描写する社会哲学を中心とした実践的人文社会科学を論ずる.
 すなわち,まず本講義では,現代社会の動態を理解する上で,「大衆社会現象」を理解することが必要不可欠であることを明示的に論じた上で,その問題を改善するために求められる人間行動学的アプローチを論ずる.

評価方法

試験とレポートで評価する.

最終目標

現実大衆社会の動態を支える個々の人間の「大衆」としての精神構造を理解すると共に,その大衆的精神が社会,公共に対して如何なる破壊的行為を仕向け,それを通して如何なる社会動態が生まれるのかについての,理論的 実証的,実践的理解を促す.その上で,大衆化によって生ずる各種社会問題を解消するための広範な解決策を臨機応変に供出するための基礎的認識を,諸学生が身につけることを目標とする.

講義計画

項目 回数 内容説明
ガイダンス(公共政策と社会哲学) 1
現代文明社会の問題と危機 1 現代文明社会が置かれている危機的状態を,社会哲学の観点から概説する.
(『大衆社会の処方箋』序章参照)
大衆に対峙する哲学 3 大衆社会論の系譜を講述すると共に,オルテガの「大衆の反逆」の概要,および,その中で明らかにされている「大衆人」の精神構造,ならびにそれが如何なる意味において俗悪なるものであるのかについての議論を講述する.
(『大衆社会の処方箋』第一部参照)
現代社会における「大衆の反逆」 3 大衆社会論に基づいて,現代社会の公共的諸問題の基本構造を講述する.すなわち,大衆人達が如何にして社会的,公共的問題について非協力的な「裏切り」行為を繰り返すのか,そしてそれによって如何にして巨大な社会公共問題が産み出されているのかについての科学的知見を,講述する.
(『大衆社会の処方箋』第二部参照)
大衆の起源 3 ヘーゲル,ニーチェ,ハイデガーの社会哲学に基づいて,大衆の精神構造とは一体如何なるものであり,それが如何にして近代において形成されてきたのかを講述する.
(『大衆社会の処方箋』第三部参照)
大衆社会の処方箋 3 大衆という精神現象の基本構造を踏まえた上で,その問題を緩和,改善する三つの処方箋を講述する.すなわち,人々の精神を活性化し,大衆性を低減させる「運命焦点化」「独立確保」「活物同期」の三つの方略を講述し,現代問題に対峙する社会公共政策の基本的なあり方を提示する.
(『大衆社会の処方箋』第四部参照)
学習到達度の確認 1

教科書

藤井聡・羽鳥剛史:大衆社会の処方箋―実学としての社会哲学―,北樹出版,2014.

参考書

予備知識

日本語

授業URL

その他

本授業の教科書は,この授業での講述を目途として2014年に執筆,出版したものです(下記参照).ついては,授業は教科書に沿って講述し,試験もその教科書の範囲で問題を出します.
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