科目名 : ディジタル信号処理

科目コード 60610
配当学年 3年
開講期 後期
曜時限 月曜・4時限
講義室 電総中
単位数 2
履修者制限
講義形態 講義
言語
担当教員 松山隆司

講義概要

計算機を用いて1次元時系列信号および2次元画像を処理・符号化するための基礎理論およびフィルタ設計法について講述する.具体的には,離散フーリエ変換をはじめとする直交変換,高速フーリエ変換アルゴリズム,1次元・2次元信号の符号化法とJPEG・MPEGの原理,離散線形システム理論に基づくFIR,IIRフィルタを中心に,具体的な事例を示しつつ講述する.

評価方法

基本的には,学期末の筆記試験によって成績評価を行うが,ディジタル信号処理を用いた「意味のある処理ソフトウェア」の開発とその機能,設計方針,性能評価などを記したレポートによっても評価することがある.

最終目標

ディジタル信号処理は,理論的解析・設計だけでなく,実践的なシステム・ソフトウェア作成が重要な分野であることから,本講義では,Matlab,Scilabといったディジタル信号処理ソフトウェア開発支援環境を用いた演習が自学自習できるように,TAによる指導やホームページを介した情報提供を行い,深い理解が得られるよう指導する.また,講義に際しては,適宜演習課題およびその解答例を提示して理解を深めることを目指す.

講義計画

項目 回数 内容説明
ディジタル信号処理の概要 2 ディジタル信号処理の目的と基本的考え方,利点を説明し,多次元信号に対するフーリエ変換および,1次元フーリエ変換と2次元フーリエ変換の関係を表す例としてCT(Computer Tomography)の原理を紹介する.
信号のディジタル化 1 1次元時系列信号の標本化について述べた後,2次元画像のディジタル化法を紹介する.
離散フーリエ変換とFFT 3 1次元ディジタル信号に対する離散フーリエ変換を説明したのち,その高速計算アルゴリズムであるFFT(Fast Fourier Transform)を紹介し,それらの2次元ディジタル画像への拡張について述べる.
直交変換と短時間フーリエ変換 3 離散フーリエ変換以外の直交変換として,離散コサイン変換を概説し,直交変換を用いたディジタル信号の処理について述べる.また,短時間フーリエ変換,信号の多重解像度解析について述べ,ウェーブレット変換の基本的考え方を紹介する.
符号化 2 信号の符号化として,波形符号化,ベクトル量子化,変換符号化を説明したのち,音声,文書画像,写真(JPEG),ビデオ(MPEG)の符号化法を概説する.
離散時間システムに基づくフィルタリング 3 z変換による線形離散時間LTI(Linear Time Invariant)システムの特性記述を概説したのち,FIR,IIRフィルタによるディジタル信号処理の方法について述べ,直線位相FIRフィルタおよび基本的なIIRフィルタの設計法を紹介する.また,2次元ディジタル画像に対するフィルタリング処理についても言及する.
期末試験 1 講義内容に関する筆記試験を行う。また、試験終了後に、授業ホームページにおいて、試験問題の意図および解答例を示し、学生からの意見や質問をメイルを通じて受け付け、理解度、到達度の更なる向上を図る。

教科書

辻井重男監修:ディジタル信号処理の基礎(電子情報通信学会)

参考書

予備知識

工業数学E1(20540)および通信基礎論(60320)を前提としており,並行して開講されるディジタル制御(60270)も合わせて受講すること.

授業URL

http://vision.kuee.kyoto-u.ac.jp/lecture/dsp/において、教材,演習課題および解答例,ソフトウェア開発環境の利用法,処理対象データなどを示す.

その他

講義専用ホームページを介して種々の信号処理ソフトウェアやディジタル信号データを公開し,講義と並行して適宜演習課題を出すことにより,理論と実践の両面からの学習を促進する.