授業科目名 : プロセス制御工学

科目コード 70480
配当学年 3年
開講年度・開講期 平成29年度・前期
曜時限 水曜・2時限
講義室 W201/3号館第1演習室
単位数 2
履修者制限
授業形態 講義
使用言語 日本語
担当教員    所属・職名・氏名 工学研究科・教授・長谷部伸治,工学研究科・教授・大嶋正裕,工学研究科・助教・金尚弘

授業の概要・目的

プロセス制御とは,化学産業や鉄鋼産業などで使われている製造プロセスを目的通りに動作させる技術である.温度や圧力などのプロセス変数を制御するためには,プロセスの動特性(入力変数を変化させたときに出力変数がどのように変化するか)を知っておく必要がある.その上で,制御したい変数を希望通りに変化させるために,どのように入力変数を変化させるべきかを決める必要がある.
本講義では,まず,プロセスの動特性を伝達関数を用いて数学的に表現する方法について講述する.次いで,プロセスを希望通りに動作させるために,どのような制御システムを構築する必要があるか,その設計法を含めて解説する.また、MatlabならびにSimulinkを使った制御シミュレーション計算機演習を行い、理解を深める。

成績評価の方法・観点及び達成度

宿題,中間テスト,期末テスト、最終課題を総合的に判断して成績評価を行う.

到達目標

1)対象プロセスの動的モデルを作成できること,2)制御対象が与えられたときに,適切な制御系(特にPID制御系)を設計できるようになること,3)制御系の特性を解析できるようになること.

授業計画と内容

項目 回数 内容説明
プロセス制御の概要と基本設計ステップ 1 具体例を交えながら、なぜ制御が必要か?プロセス制御の役割とその重要性について述べる。フィードバック制御とフィードフォワード制御の概念と制御系の構成要素について解説する。また、それらの制御をプロセスに適用していくときにどのようなことが問題になるのかについて、プロセス制御のシステム設計のステップを順次追っていく中で学ぶ。
動的特性とプロセスモデリング-物理モデル 1 良い制御系をつくる第一歩は、対象とするプロセスをよく知ることであることを学ぶ。よく知るとは、プロセスの動的・静的な挙動を把握することである。ここでは、プロセスの動的な挙動を定量的に数式を使って表現することを学ぶ。具体的には、簡単な化学プロセスを例に,物質および熱収支式を微分方程式で表現する方法、その微分方程式を定常点でテーラ展開を使って線形化する方法について述べる。
動的特性と伝達関数のMatlab演習-物理モデル 2 MatlabならびにSimulinkの基本操作を学び、それらのソフトを使って、プロセスの応答を実際に計算してみる。物理モデルを使った動特性のシミュレーションを計算してみる。化学プロセスのモデリングとシミュレーションの課題を与える。また、MatlabならびにSimulinkを使って、1次遅れ、2次遅れ、無駄時間、比例など、代表的な伝達関数で表現できる動的挙動について学ぶ。さらに、1次、無駄時間、高次遅れ系に対するフィードバック制御系の安定性についてでシミュレーションを通して、体験する。
制御系の安定性と応答性 1 伝達関数と極と安定性について復習し、フィードバック系プの伝達特性と、制御系の基本的な性質と定常特性、安定性について解説する。シミュレーションで体験したフィードバック制御系の安定性について理論的に解説する。
中間理解度・到達度調査 1 これまでの講義内容について、理解度を確認するための中間試験を実施する。
PID制御と制御系の設計 3 プロセス制御において最も広く利用されているPID制御について、その特徴と調整法を解説する。古くから使われているチーグラー法に加えて、プロセスモデルに基づくコントローラ設計法として内部モデル制御法(IMC)について解説する。さらに、精度の高い制御系を構築するために、無駄時間補償、IMCによる無駄時間系への対応、北森法などの2自由度系への設計法など、PID制御の性能を更に向上させるために工夫されてきた、様々な改良型PID制御法について解説する。
PID制御系設計演習-Matlab 3 一入力一出力系でのフィードバック制御系の設計と動的シミュレーションに関する演習を行う。一入力一出力系のフィードバック制御系の設計をIMC法、2自由度法でSimulinkを用いて行う。PIDのチューニングパラメータが制御応答に与える影響をシミュレーションを通して把握する。 物理プロセスモデルのSimlink上での表現を学び、物理モデルプロセスにPID制御を実施するシミュレーションについても学ぶ。
多変数マルチループ系の制御 1 2入力2出力系の化学プロセスのマルチループ・フィードバック制御の設計法について学ぶ。制御ループ間の相互干渉の問題とその指数について学ぶ。2x2のIMC設計法について学ぶ。
制御系設計総合演習 2入力2出力系の化学プロセスのマルチループ・フィードバック制御系の設計総合演習を行う。
フィードバック授業 制御系設計課題について、グループ発表会を実施する。

教科書

「プロセス制御システム」:大嶋(著),コロナ社

参考書等

「プロセス制御工学」:橋本,長谷部,加納(著),朝倉書店

履修要件

「微分積分学」および「線形代数学」を十分修得していることを前提とする.さらに,ラプラス変換を学習していることが望ましい.

授業外学習(予習・復習)等

制御系設計課題を課す。

授業URL

その他(オフィスアワー等)

本講義内容は「化学工学工学実験Ⅱ」に必須であるので,化学工学工学実験Ⅱを後期に履修する場合は事前に本講義を履修すること.