授業科目名 : 化学数学(創成化学)

科目コード 71320
配当学年 2年
開講年度・開講期 平成29年度・後期
曜時限 火曜・2時限
講義室 総合研究8号館NSホール
単位数 2
履修者制限 2回生以上
授業形態 講義
使用言語 日本語
担当教員    所属・職名・氏名 工学研究科・教授・瀧川敏算,工学研究科・准教授・中村洋

授業の概要・目的

新しく合成した分子の構造決定のため,日常的に赤外(IR)や核磁気共鳴(NMR)スペクトルを測定するが,用いる分光器にはFT-IR…,FT-NMR… の名前がついている.FTはフーリエ変換(Fourier Transformation)の頭文字であり,測定原理に物理量の時間変動から周期的時間変動の強度分布へのフーリエ変換が含まれることを示している.また,新しい分子の集合体がもつ材料特性を調べるために散乱実験が行われるが,この実験では分子の空間分布をフーリエ変換したものが測定される.このように,新物質の創成,新機能の発現機構の解明において,日々フーリエ変換の恩恵に浴しているが,この講義はその数学的,数理物理的な理解を目的とする.
 前半では,準備として,複素関数とその積分について解説し,後半でフーリエ級数,フーリエ変換と,その親戚筋にあたるラプラス変換について解説する.

成績評価の方法・観点及び達成度

期末試験の結果に演習課題の結果と平常点を加味して判定する.

到達目標

工業化学科(創成化学コース)の3回生以降の講義・実験を履修する上で最低限必要な応用数学の知識と計算能力を身に付ける.

授業計画と内容

項目 回数 内容説明
複素数の基礎 1 複素数の演算規則,複素平面,複素数の幾何学的意味について復習する.1階および2階の常微分方程式の複素数を用いた解法について述べる.
複素関数の微分 1 複素関数の微分について述べる.微分可能性,正則性,コーシー‐リーマンの関係式等について説明する.
初等関数 1 複素数を変数とする三角関数,指数関数,対数関数などについて説明する.多価関数に対するリーマン面についても具体例を挙げて説明する.
複素関数の積分 1 複素関数の積分の定義からコーシーの積分定理,積分表示までを解説する.
関数の展開 1 零点と特異点について解説し,複素関数のテイラー展開とローラン展開について述べる.さらに,留数定理についても解説する.
留数定理と実積分への応用 2 留数定理を用いて実関数の積分を求める方法について,いくつかの例をあげて解説する.
フーリエ級数 1 有限区間の関数,あるいは周期関数を三角関数の重ね合わせで表現するフーリエ級数の正規直交性と完備性について説明し,いくつかの関数に対する計算例を紹介する.
フーリエ級数の性質と応用 1 フーリエ級数の性質について説明し,応用例として,弦の振動を表す波動方程式の解法について説明する.
フーリエ変換 1 フーリエ級数を無限区間に拡張することによって表されるフーリエ変換について説明し,いくつかの関数に対する計算例を紹介する.
フーリエ変換の性質と応用 1 フーリエ変換の性質について説明し,応用例としてFT-NMR,散乱関数について説明する.
ラプラス変換 1 ラプラス変換について説明し,いくつかの関数に対する計算例を紹介する.
ラプラス変換の性質と応用 1 ラプラス変換の性質について説明し,ラプラス変換を用いた微分方程式の解法について説明する.
フーリエ,ラプラス変換の拡散方程式への応用 1 フーリエ,ラプラス変換の応用例として,拡散方程式の解法について説明する.
学習到達度の確認 1 本講義の内容に関する到達度を確認する.

教科書

学科事務室で配布する講義資料冊子を使用する.

参考書等

履修要件

微分積分学A・B,線形代数学A・B,自然現象と数学(工業化学科)の履修を前提としている.

授業外学習(予習・復習)等

授業URL

その他(オフィスアワー等)