授業科目名 : 物理化学II(工業基礎化学)

科目コード 72070
配当学年 3年
開講年度・開講期 平成29年度・前期
曜時限 水曜・1時限
講義室 W2・W202
単位数 2
履修者制限 有:講義に支障がある程の人数になる場合は制限します。
授業形態 講義
使用言語 日本語
担当教員    所属・職名・氏名 工学研究科・教授・佐藤啓文,工学研究科・准教授・伊藤彰浩,工学研究科・准教授・佐藤徹,化学研究所・教授・水落憲和

授業の概要・目的

量子力学の起源と原理、量子論の手法と応用、原子軌道に基づく原子構造、及び分子軌道に基づく化学結合論について講述し、あわせて関連事項の演習を実施する。

成績評価の方法・観点及び達成度

主に中間試験および期末試験。

到達目標

量子力学の基礎、簡単なSchrödinger方程式の例、原子軌道と分子軌道の組立て、及びこれらに基づいた原子・分子の性質、を理解できるようになること。

授業計画と内容

項目 回数 内容説明
波の性質と古典物理の破綻 1 粒子性と波動性
二重スリット実験
分子の解析力学 2 分子の並進・回転・振動および電子の運動
Lagrange形式の解析力学
Hamilton形式の解析力学
量子力学の基礎 2 状態
演算子
オブザーバブル
確率解釈
正準交換関係
Schrödinger方程式
不確定性関係
二原子分子の量子力学 2 自由粒子と井戸型ポテンシャル
調和振動子
剛体回転子
中間試験 1
原子構造 1 水素類似原子の構造と原子軌道
パウリの原理
多電子原子の構造
化学結合1 1 分子軌道の考え方
等核二原子分子の化学結合
化学結合2 2 π共役系分子のπ分子軌道
ヒュッケル法
化学結合3 2 異核二原子分子の化学結合
多原子分子の構造と定性的分子軌道
学習到達度の講評 1 学習内容の到達度について講評する

教科書

なし

参考書等

アトキンス 物理化学(上) 第8版 千原秀昭・中村亘男訳 (東京化学同人)
マッカーリ・サイモン 物理化学 分子論的アプローチ (上) 千原ら訳 (東京化学同人)
ムーア 物理化学(下) 第4版 藤代亮一訳 (東京化学同人)

履修要件

基礎物理化学A/基礎物理化学(量子論)関連の事項。化学数学Iなど。

授業外学習(予習・復習)等

授業URL

その他(オフィスアワー等)

量子力学の化学への応用体系を量子化学と言います。これは有機合成化学、高分子化学、無機化学あるいは触媒化学や有機金属化学、分子分光学を問わず、全ての化学の基礎となります。量子化学的素養を持つことは現代の化学研究で必須です。すぐれた化学者は物理化学的基礎、とりわけ、量子化学、理論化学の基礎的素養に基づき、深い理解と洞察による研究を展開しています。化学者として大成するようしっかり学んで欲しいと考えています。量子論は、古典的な世界に生きている私達からみると、直感的には理解しにくい部分があることも確かですが、原子や分子の世界、化学反応や化合物の構造と性質を理解するには量子化学の知識が不可欠です。特に、最近の光物性や光エネルギーの変換などを正しく理解するには量子論の知識が必要です。努力して理解すれば、得るところは非常に大きいです。
なお、講義内容の十分な理解には数学が必要です。これについては同時期に開講される化学数学IIを並行して履修することが望ましいです。