授業科目名 : 高分子化学概論II(工業基礎化学)

科目コード 72170
配当学年 3年
開講年度・開講期 平成29年度・後期
曜時限 水曜・2時限
講義室 総合研究8号館講義室1
単位数 2
履修者制限
授業形態 講義
使用言語 日本語
担当教員    所属・職名・氏名 化学研究所・教授・渡辺宏,化学研究所・教授・梶弘典,化学研究所・准教授・松宮由実,化学研究所・助教・志津功將

授業の概要・目的

高分子が示す特徴的な構造(たとえば結晶と非晶)と特徴的な物性(たとえば粘弾性)は、高分子鎖が長い糸状の構造を持つことに起因する.この視点に基づき、高分子の溶液、融液および固体状態における構造と物性について説明を行う.

成績評価の方法・観点及び達成度

期末試験およびレポート.

到達目標

高分子の構造と動的挙動、物性の関連を分子描像に基づいて理解することを求める.

授業計画と内容

項目 回数 内容説明
高分子鎖の形と広がり 2 線状高分子について、分子特性の基本となる高分子鎖の形の分布と広がりを説明する.
溶液の性質 3 Flory-Hugginsの理論に基づき、混合エントロピー、混合エンタルピーおよび化学ポテンシャルの誘導について述べ、この結果を基に、浸透圧や相平衡などの熱力学的性質を説明する.また、分子量などの基本的な分子特性の決定法についても説明する.
固体の構造 2 長い高分子鎖が、結晶化条件により単結晶、球晶、ラメラ晶、伸び切り鎖結晶などを形成することを示し、基本的な結晶化過程について説明する.また、このような結晶化試料の結晶−非晶構造の解析法と解析結果について説明する.
ガラス転移 1 高分子が示す熱運動について概説し、主鎖の熱運動の凍結に伴うガラス転移現象について述べる.さらに、ガラス転移に伴う力学的性質と熱的性質の変化、および、その分子機構について説明する.
ゴム弾性 2 ガラス転移点以上のゴム中で屈曲性高分子鎖が示すコンホーメーション分布について説明し、エントロピー弾性としてのゴム弾性がいかにして発現するかについて鎖の熱運動に主眼を置いて解説する.また、弾性率の分子論的表記についても説明する.
高分子ダイナミクス 4 屈曲性高分子鎖の溶融系が示す粘弾性を鎖の運動(ダイナミクス)と対応付けて説明し、鎖同士が互いに横切れないために生じる絡み合い効果について述べる。さらに、鎖の運動と粘弾性についての現在の分子理論についても概説し、主鎖骨格に平行な双極子を持つ高分子(A型高分子)については、長時間域の誘電緩和と粘弾性緩和の対応についても説明する.
学習到達度の確認 1 本講義内容全体について要点をまとめて各項目間の関連を概説し、試験などで理解不足が確認される項目に対する学習到達度を高める。

教科書

随時、プリントを配布.

参考書等

「新高分子化学序論」(化学同人)
「高分子の構造と物性」(講談社)ISBN978-4-06-154380-5

履修要件

3年前期配当の「高分子化学概論I(工業基礎化学)」を履修していることが望ましい.

授業外学習(予習・復習)等

授業URL

その他(オフィスアワー等)