授業科目名 : 先端機器分析科学(工業基礎化学)

科目コード 72190
配当学年 4年
開講年度・開講期 平成29年度・前期
曜時限 水曜・2時限
講義室 桂A2-307
単位数 2
履修者制限
授業形態 講義(集中)
使用言語 日本語
担当教員    所属・職名・氏名 工学研究科・教授・作花哲夫、非常勤講師・垣内 隆、武庫川女子大学・教授・萩中淳、立命館大学・教授・稲田康宏

授業の概要・目的

最先端の機器分析化学を講述する。化学およびその関連分野において、機器を用いる分析を欠かすことが出来ないことは言うまでもないが、装置やマン・マシンインターフェースが大きく進歩しているために、その「利用」においては、必ずしも「箱の中身」を理解しなくても可能であることが多くなっている。しかし、得られたデータの解釈や限界を知るためには、その動作原理を把握しておくべきである。今日では、化学の分野で使用される分析機器は非常に多様となり、その分析の原理や装置の仕組みそのものは化学がカバーする範囲をはるかに越えている。この講義ではこのような学問分野を機器分析科学と定義し、その先端、進歩を集中講義の形式で講述する。2017年度は、X線分析、液体クロマトグラフィーおよび電気分析化学に関して、先端的な研究成果を含む内容の講義を行う。

成績評価の方法・観点及び達成度

講義の出席とレポート内容に基づいて評価する。

到達目標

分析科学の最先端では、何を、どこまで、いかにして測定しているのか、その基本原理と応用を理解する。

授業計画と内容

項目 回数 内容説明
先端機器分析科学入門 1 先端機器分析科学の講義計画を説明し、本講義の目的、性格、成績評価等に関して説明する。
高機能充填剤とその分離分析への応用 4 液体クロマトグラフィー (LC)の今日の発展は、高性能充填剤の開発に負うところが大きい。LC用高性能充填剤には、高分離能充填剤および高機能充填剤がある。前者は、高速・高分解能分離に適用されている。しかし、高分離能充填剤が種々の対象物質の分析に万能であるとは言い難い。そこで、生体試料の直接注入のための浸透制限型充填剤、光学活性化合物の分離のためのキラル充填剤、アフィニティーを利用した分子インプリント充填剤などの高機能充填剤が開発されている。これら高機能充填剤の特性とその分離分析への応用について述べる。 1.浸透制限型充填剤 2.キラル充填剤、3.分子インプリント充填剤、4.高機能充填剤の分離分析への応用
先端X線吸収分光法の基礎と応用 4  X線吸収によって発生する内殻電子の励起は、価電子準位近傍への遷移や光電子放出をもたらし、その結果として、X線吸収原子の電子状態や局所構造を解析するために有効なX線吸収微細構造(XAFS)が現れる。XAFSの測定法は多岐にわたり、一般的な透過法のほか、希薄試料のための蛍光収量法や表面敏感な電子収量法や全反射法などがある。それらの原理や特徴などを概説した上で、時間分解並びに空間分解の先端的XAFS解析の方法論とその応用例を解説する。また、XAFSを測定するために有効な放射光光源とビームラインの光学素子についても、その原理や特徴を紹介する。さらに、XAFSが得意とするその場での状態解析を不均一触媒材料や二次電池電極材料に応用した解析例について、最近の研究成果を交えて解説する。
pH計測の基礎と応用 6 pH は、いうまでもなく非常に重要な酸性度の指標である。 pHメータで、簡易に測定できるものであるが、実際には信頼できる値を得ることは難しいことも多い。その理由は、技術的問題にとどまらない。水素イオンの活量 aH+ の対数、 pH = - log10aH+ として定義される pH の測定は、単独イオンの活量を熱力学的な確かさで測定することは出来ないという、原理的・本質的な難しさがある。 単独イオン活量の可測性の問題は、電気化学の根本問題でもある。ここでは、pHメータの原理やガラス電極の作用機作などのpH 測定の技術的な側面だけでなく、このもっともありふれた日常的な測定量である pH の本質的な考え方の枠組を述べ、それを踏まえてとらえ直す酸性雨や海洋の酸性化に関する諸問題の解決の方向性を視野に入れた講義を行う。

教科書

特に指定しない

参考書等

講義の中で紹介する。

履修要件

分析化学、物理化学の基礎的事項を習得していることが望ましい

授業外学習(予習・復習)等

授業URL

その他(オフィスアワー等)