科目名 : 工学倫理

科目コード 21050
配当学年 4年
開講期 前期
曜時限 木曜・3時限
講義室 共通3・桂C1-192
単位数 2
履修者制限
講義形態 講義
言語
担当教員 工学部長・田中(利)・川﨑 他関係教員

講義概要

現代の工学技術者、工学研究者にとって、工学的見地に基づく新しい意味での倫理が必要不可欠になってきている。本科目では各学科からの担当教員によって、それぞれの研究分野における必要な倫理をトピックス別に講述する。

評価方法

出席及びレポート

最終目標

工学倫理を理解し,問題に遭遇したときに,自分で判断できる能力を養う.

講義計画

項目 回数 内容説明
工学倫理を学ぶ意義(4/11) 1 「工学倫理」とは何か、なぜ倫理を学ぶ必要があるのかについて、生コンへの加水問題、耐震強度偽装問題、施工不良、建築士資格詐称問題、廃棄物処理などの建築分野における過去の事例を取りあげて解説する。
イキモノを対象とする技術のデザイン(4/18) 1 工学設計の対象が機能からイキモノやその環境に移行するに従って、設計手法の根本的な変更が迫られている。生体材料学、再生医工学の基礎、医療・福祉・健康現場におけるニーズとその定量化(効用値計算)、仕様への書き下し、経済社会評価などに関して、論議を交えながら考える。
放射線化学・生物学の倫理(4/25) 1 放射線は化学反応を進めるトリガーとして、また疾患の有効な治療手段として、科学・医療の分野で広く活用される。近年の研究状況を解説した上で、放射線に関わる研究者・技術者が持つべき倫理を学習する。
道徳水準とモラルジレンマ(5/9) 1 道徳心理学では人間の道徳水準には客観的水準があり、役割取得能力と知性によって規定される一方、道徳的葛藤を経験することで鍛えられる事が知られている。その理論の工学倫理的含意を講述する。
生命工学における倫理(5/16) 1 近年の遺伝子工学や細胞操作技術の進展により、これまでの医学では考えられなかった治療の可能性が拡がった一方で、現在なお倫理学的な考察を必要とする様々な問題が存在する。授業では生命工学の現状とその倫理的問題について解説する。
生命倫理(バイオエシックス)(5/23) 1 工学分野においてもヒトや生物を対象とする医学的、生物学的研究や技術が増加しつつあり、生物、ヒト、医療とのかかわりも増えている。そのため、生命に関わる倫理に関する知識の修得が望まれる。本講義では医学研究倫理を含めた生命倫理について概説する。
応用倫理学としての工学倫理(5/30) 1 工学倫理の基本的な考え方を、他の応用倫理との比較において検討し、現代の科学技術の特殊性について、哲学的、倫理学的な考察を行う。
高度情報化時代の工学倫理(6/6) 1 「高度情報化時代」における工学倫理は、それ以前のものと比べてどこが同じでどこが異なるのかを、いくつかの事例をもとに考察する。
情報倫理(6/13) 1 コンピュータ、インターネット、携帯電話、スマートフォンなどは日常生活に不可欠な機器とサービスになっているが、生活を便利にする反面、多くの社会的問題を抱えている。このような情報化社会において安全に生活するための知識や行動規範に関して講述する。
先端化学の技術者・研究者に求められる倫理(6/20) 1 先端科学研究は持続型社会実現に向けて不可欠であり、大きな期待が寄せられている。しかし、知的所有権争いや論文ねつ造、ナノ材料の危険性など多くの問題点も生じている。本講では先端科学の技術者・研究者に求められる倫理について述べる。
特許と倫理(第1回)(6/27) 1 研究成果である発明を保護する特許制度と特許を巡る倫理問題について学習する。第1回は、特許を巡る倫理問題を理解するにあたり、その前提となる日本の特許制度について、世界の主要国における制度や国際的枠組みとも対比しつつ講義を行う。
特許と倫理(第2回)(7/4) 1 第2回は、第1回で学習した特許制度の知識を前提として、特許を巡って生じる倫理問題・法律問題について、実例等を含めて考える。
航空宇宙工学と工学倫理(7/11) 1 航空機・宇宙機は現代社会に不可欠なものになっているが、技術的な問題が大事故につながる危険性をともない大きな社会的関心をよぶこともある。航空宇宙工学分野におけるこれまでの事例をもとに、現代の先端技術開発における工学倫理について考える。
機械製品開発研究における倫理(7/18) 1 機械製品の開発研究、設計、製造プロセスの各段階で、技術者として意識すべき倫理について概説し、倫理問題解決に向けての取り組みや関連学会の倫理規定を示す。また、環境倫理の立場から京都大学の環境活動を紹介する。
建築技術者の倫理(7/25) 1 建築物の計画・設計・施工の各段階に関わる技術者は単に専門的知識・技術の供与みでなく倫理に基づいた行動が求められる。この講義では特に建築における環境と設備設計に関連する一つの失敗例を通して、それに関わる技術者の倫理について考える。

教科書

講義資料を配付する。

参考書

北海道技術者倫理研究会編「オムニバス技術者倫理」,共立出版(2007)
中村収三著「新版実践的工学倫理」,化学同人(2008)

予備知識

授業URL

その他

桂キャンパスと吉田キャンパスとで遠隔講義を行う。講義順序は変更することがある。
[対応する学習・教育目標] C.実践能力 C3.職能倫理観の構築