科目名 : 非平衡系の数理

科目コード 90950
配当学年 3年
開講期 後期
曜時限 水曜・4時限
講義室 総合研究8号館講義室4
単位数 2
履修者制限
講義形態 講義
言語
担当教員 青柳

講義概要

熱的あるいは力学的にエネルギー収支の均衡が崩されることにより実現される非平衡状態では,多様な運動形態やパターンが出現する.このような非平衡系の自己組織的な振る舞いの解明は,物理現象のみならず生命現象を理解するためにも重要性を増している.本講義では,そのために必要な基礎的概念と手法について講述する.

評価方法

講義時間中に説明するが,原則定期試験の結果により評価する.

最終目標

物理現象や生命現象,社会現象などに現れる様々なリズムやカオス、またそれらの同期,協同現象や自発的構造形成など、一見複雑な現象の背後には、共通の数理構造が潜んでおり,統一的に理解可能な側面があることを学ぶ.

講義計画

項目 回数 内容説明
非平衡系とは? 1 講義の目的と内容を概説する.
平衡と非平衡の理論 3 熱平衡系の基本を概観した後,熱平衡から少し離れた非平衡系に関する理論を簡単に概説する.具体例として,脳神経系等を取り上げ,理論的アプローチの一端を紹介する.
非平衡系の確率的側面 2 まず最初に,非平衡系で観測される不規則運動を解析するため,確率的側面に着目した理論解析を説明する.具体的には,ランジュバン方程式,フォッカー・プランク方程式などを講述する.
非平衡系の力学的記述 3 力学系における外部パラメーターの変化により生じる典型的な不安定性のタイプに関する分岐理論の初歩を概説する.特に,固定点が不安定化することでリミットサイクル解が出現するホップ分岐についてやや詳しく説明し,具体的な例として数理生態のモデルなどを取り上げる.
カオスとフラクタル 2 力学系の側面から不規則運動を解析するために,少数自由度のカオスに関して解説する.カオスについてローレンツモデルを代表例にとりあげ,散逸力学系におけるストレンジアトラクタ,力学系を特徴づける概念であるリアプノフ指数などを概説する.また,カオスの理解に不可欠なフラクタルの概念を説明し,フラクタル次元と力学系の性質の関係を説明する.
非平衡系で見られる協同現象 3 リミットサイクル振動子が相互作用する系に見られる引き込み転移(同期現象)に関して,平均場理論および実際の適応例を示し解説する.また,最近話題のスケールフリーやスモールワールドなど,普遍的に見られるネットワーク構造に関しての数理的側面を概説する.
非平衡系の理論のまとめ 1 講義内容の補足および学習到達度の確認を行う.

教科書

特に指定しない.

参考書

講義時に通知する.

予備知識

微分方程式,解析力学,統計物理学の基礎的な知識があることが望ましい.

授業URL

http://wwwfs.acs.i.kyoto-u.ac.jp/~aoyagi/DATA/LECTURES/LECTURES.html

その他

当該年度の授業回数などに応じて一部省略, 追加がありうる.