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電気電子工学科

21世紀は環境の世紀と言われています。電気電子工学は20世紀の科学技術の発展を支えてきました。地球資源の枯渇や環境の悪化が指摘される今世紀においても、その隅々にまで張り巡らされた電気、電子のネットワークが環境の改善に大きな力を発揮することになります。例として日常生活を考えて見ますと、電気エネルギーは、照明・冷暖房・通信・調理・清掃などあらゆる目的で利用されています。また、情報・通信技術は携帯電話・TV・インターネットなど直接的な形で利用されるほか、最近では洗濯機・エアコン・調理器などといった家庭電化製品のなかでも活用されています。より広い視野で見ると、工業・交通・通信・農業・金融・医療・経済など、どの分野においても、電気エネルギー、情報・通信、電子材料、システム・制御などの技術が将来の展開の鍵となっています。電気電子工学科は、電気エネルギー、情報・通信、電子材料、システム・制御、さらにそれらの基礎となる科学技術の教育・研究を行う学科です。

電気電子工学科の歴史は、前身である電気工学科が明治31年に創設されて以来、すでに100年を越えました。その後、電子工学の目覚しい発展に伴い、昭和29年に全国で初めて設置された電子工学科、さらに関連分野の進歩に伴い、ほどなく新設された電気工学第二学科をあわせた電気系3学科となりました。発展的改組により、平成7年度に電気電子工学科が誕生し、教育・研究体制もいっそう整いました。教員は大学院に所属することとなり、工学研究科、情報学研究科、エネルギー科学研究科を中心に、工学研究科附属光・電子理工学教育研究センター、生存圏研究所、エネルギー理工学研究所、国際高等教育院、学術情報メディアセンターなどと協力しながら、電気・電子工学に関連する幅広い分野での教育・研究が行われています。これまで、本学科を中核とするグループが文部科学省のCOEプログラム、グローバルCOEプログラムに続けて採択されてきました。これらの実績を踏まえ、今後も、世界をリードする人材の育成と研究成果の創出を加速していきます。

カリキュラムの概要

電気電子工学科の卒業生は、エネルギー、通信、情報、エレクトロニクス、システム制御などに関連するあらゆる分野で技術者・研究者として活躍しています。そのためには基礎学力をしっかりと身に付け、さらに広範囲の問題に対応できる知識と応用力を養っておかなければなりません。そこで、電気電子工学科では、第1~2学年に基礎的な科目を、第3~4学年に専門的な科目を配当して、各自が希望に応じて専門分野を選択していくようにしています。すべての学生が学ぶ基礎的な科目としては数学、物理、電磁気学、電気回路、電子回路、半導体工学、計算機、情報処理などがあります。また、電気電子工学に関する実験も、第2学年から2年間にわたり体系的に積み重なっていきます。

希望に応じて選ぶ専門分野は、それぞれの学生が入学時に割振られるアドバイザーと相談しながら決めればよいわけですが、代表的なものとして、(1)電気エネルギー、(2)システム制御、(3)電子材料・物性・デバイス、(4)真空・プラズマ、(5)通信ネットワーク、(6)計算機、(7)生体医工学などがあげられます。次に、その内容の一例を示します。

(1)電気エネルギーでは、まずモータや発電機といったエネルギー変換装置やインバータなどのパワーエレクトロニクスについて学びます。さらに進んだ課題として超伝導現象とその応用、放電現象、電磁界解析法、大規模な電力システムの解析・設計などがあります。(2)システム制御では、回路網の理論、システム最適化の理論、自動制御の理論、カオスのような非線形現象の解析法、ディジタル制御、知能型システムなどを学びます。これらは電子回路の自動設計、工場・航空機・自動車・鉄道などの自動制御、医療技術の高度化などに役立つことになります。(3)電子材料・物性・デバイスは、固体中の量子力学的な物理現象をエレクトロニクスへの応用という視点からしっかり理解するところから始まります。基礎的な事柄を理解したあとは、超伝導材料、レーザ光学、光による通信・情報処理・大電力を扱える半導体デバイス、ナノテクノロジーを活用した新機能素子の実現、大規模集積回路(LSI)など最先端の話題が数多く待っています。(4)真空・プラズマでは、真空やプラズマの中での電子やイオンの振る舞いを理解した後、それらの知識の応用、たとえば半導体の加工法などを学びます。また、各種の物理量を、現在起こっている現象を乱さずに測定する方法なども大切な技術です。これらの事柄は情報社会の基盤となっているエレクトロニクス技術にとって必要不可欠のものです。(5)通信ネットワークでは、情報理論や通信方式といった科目から始まります。なぜ“0”と“1”だけで音声や画像が送れるのか、まずディジタル通信の基本的な原理を学びます。そして悪い通信路であっても信頼度の高い通信を行うための情報伝送工学や、携帯電話にとって不可欠な電波やマイクロ波工学を学び、インターネットに代表される情報通信ネットワークの仕組みや光通信工学を学びます。(6)計算機では、計算機だけでなく、携帯電話などあらゆる情報機器の基礎になっている論理回路から勉強をはじめてもらいます。そのあと、計算機のハードウェアの構造、ソフトウェア、計算機システムといった科目を勉強し、同時にディジタル情報処理や画像処理など応用面で重要な技術も学びます。また、バーチャルリアリティなどを含むヒューマンインタフェースも卒業後必要となることの多い技術です。(7) 生体医工学では、細胞から脳に至る様々な階層における高度なメカニズムやダイナミクスを理解する生体工学の基礎と先端医療などへの応用を学びます。

以上のような科目を学んだあと、第4学年では、教員や大学院生が取り組んでいる最先端のテーマに関連した課題を研究します。これを特別研究と呼んでいますが、理論・シミュレーション・実験などを総合的に駆使して1人1人違った課題の解決を目指すものです。研究結果は卒業論文という形で提出するとともに、多くの場合、学会で発表することにもなります。