建築学科

建築は、建築物をつくる人間の行為、あるいはその行為によってつくりだされた建築物をいいます。つまり一面では建築する行為の物的な所産であり、また一面では建築物を産出する技術であります。建築物は生活の場として直接人間の生活にかかわり、その技術も人間の生活を究極の目的とする行為であります。それゆえ、建築はもっともヒューマンな技術のひとつといえます。このような建築技術の特色から、教科課程は自然科学、人文科学、社会科学の広い分野にまたがっており、卒業後の進路も計画系、構造系、環境系の各分野における設計及び施工に従事する建築家及び技術者、あるいは建築行政の指導・監督者、そして各種開発事業にたずさわるプランナーなど実に多種多様です。

したがって建築学科では、単に自然科学の面に才能をもつ学生だけでなく、人文科学、社会科学、さらには芸術にも深い関心をもつ学生もひとしく歓迎し、いずれもがその才能を十分に伸ばすことができます。

カリキュラムの概要

建築学科の教科課程・研究は対象領域や研究手法の観点から、計画系、構造系、環境系の3つの系に大別することができます。

計画系では、豊かな人間生活の基礎となる住宅から種々の建築及びそれらの集合体である地域・都市までを対象とし、空間一般の形成原理の解明から、空間構成の計画・設計や建築生産の方法についての教育・研究を行っています。そこでは歴史的考究に基づく洞察力、現状把握のための分析能力、空間を構成するための造形能力などが養われます。

構造系では、建築物を地震や台風などの自然の力から守り、その建物として寿命を全うするための構造工学・構造技術を教育・研究しています。構造技術の発達は従来経験しなかった超高層建築や全天候型競技場などの大規模構造物の建設を可能にしてきました。さらに合理的な設計理論、構造法、施工法の展開が望まれ、自然科学を基礎とした広範な能力を発揮することができます。

環境系では、熱・空気・光・音などの物理的環境要素と人間の生理・心理への影響を総合的に評価した環境計画、それを安全で最適に実現する設備計画について教育・研究しています。最近の技術の進歩はめざましく、建築への要求が多様化、高度化しており、環境・安全計画は建築物を実現するためにますます重要な課題となっています。自然科学を基礎としてこれらを解決する能力が養われます。

建築家・建築技術者となるには、これらの諸領域について技術とその基礎となる原理を深く習得してゆくことが望まれます。それゆえ、比較的基礎的な科目から次第に専門分野に至るように、また各自の特性を活かした選択が可能なように履修課程が構成されています。標準的には、4年間の学修で一級建築士の受験に必要な学科目を修得し、卒業と同時に受験資格を得ることができます。

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