道盛 裕太

略歴

2019年3月 京都大学工学部工業化学科 卒業
2021年3月 京都大学大学院工学研究科修士課程合成・生物化学専攻 修了
2024年3月 京都大学大学院工学研究科博士後期課程合成・生物化学専攻研究指導認定退学
2024年4月 京都大学大学院工学研究科博士後期課程合成・生物化学専攻 研究員
2024年7月 京都大学スーパーグローバルコース化学系修了 博士(工学)取得
2025年5月 京都大学大学院工学研究科博士後期課程合成・生物化学専攻 助教

メッセージ

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京都大学大学院工学研究科の助教として、アーキアと呼ばれる生物群を中心とした微生物の代謝を研究しています。工業化学科や合成・生物化学専攻で培った有機化学や物理化学の知識を活かし、細胞内の未知なる化学反応を明らかにしようと日々奮闘しています。主に学生の皆さんと研究を進めるほか、学部生向けの実験演習の担当などが職務となります。

博士後期課程への進学に明確なきっかけはありませんでしたが、元を辿れば幼少のころから漠然と「ハカセ」に憧れがあり、生物の進化や起源に関心を持っていました。博士後期課程の最終目標は当然、博士学位の取得です。ただ、その過程でテーマの設定、実験の計画、結果の分析、成果の発表といった研究のイロハを実際に体感する経験にこそ、進学する意義があったと考えています。身近な興味関心から社会問題に至るまで、課題解決の大まかな手順はいつも同じような形をしているので、博士後期課程での学びは「専門知識を突き詰めるだけ」にとどまらない、人生のスキルアップに繋がると思います。

経済的な面での不安や、学生期間が長くなることへの不安はありました。ただ私の進学時あたりから大変ありがたいことに、全国的に博士後期課程の学生への経済的支援が急速に充実し始め、在学中の3年間は給与をいただきながら全く不自由なく過ごすことができました。ちょうどコロナ禍が直撃したタイミングで、長期の留学は断念せざるを得なかったものの、国内外の学会への出張も複数回経験でき、結果的にとても充実した日々を送ることができました。

研究や謎解きに楽しさを感じる瞬間があれば、きっとあなたも「ハカセ」に向いています。気になる研究室があれば、思い切って見学してみることをお勧めします。先生や先輩と直接お話しすると、案外すんなりと進学の決心がつくかもしれません。ご相談、いつでも大歓迎です。

 (2025年5月掲載)