通信波⻑帯 5 バンドにまたがる超広帯域オンチップ量⼦もつれ光源を実現 ― 量⼦技術の⾶躍的な⾼性能化が期待 ―
電⼦や光⼦などの量⼦は、通常の物体とは異なったふるまいをします。その量⼦の個々のふるまいや相関(量⼦もつれ)を制御することで、⾶躍的な計算能⼒を実現する量⼦コンピューターや、盗聴不可能な暗号を実現する量⼦暗号、さらに、従来の計測技術の限界を超える量⼦センシングなど、「量⼦技術」の研究が精⼒的に進められています。その中でも、光⼦は、⻑距離伝送が可能で、また室温でも量⼦状態が保存されるため、有⼒な担体です。
今回、電子工学専攻 ⽵内繁樹 教授、岡本 亮 同准教授、濱⼭友志 同修⼠課程学⽣(研究当時)らの研究グループは、⾹港城市⼤学、QXP Technology Inc.の共同研究グループとともに、光⼦が、さまざまな波⻑(⾊)の対となった「量⼦もつれ」状態を、集積化可能な「半導体チップ」として、光通信で主に⽤いられる6つのバンドのうち、5つのバンドにまたがる世界最⼤の波⻑域(従来⽐で 3 倍以上)で実現することに成功しました。今回実現した光源は、光量⼦コンピューターや、量⼦暗号の⾼度化、また光量⼦センシングなどの集積化 チップ化)にブレークスルーをもたらすものです。
本成果は、2025年7⽉1⽇に⽶国の国際学術誌「APL Photonics」にオンライン掲載されました。
研究詳細
通信波⻑帯 5 バンドにまたがる超広帯域オンチップ量⼦もつれ光源を実現 ― 量⼦技術の⾶躍的な⾼性能化が期待 ―
研究者情報
- ⽵内 繁樹 京都大学教育研究活動データベース
- 岡本 亮 京都大学教育研究活動データベース
書誌情報
タイトル |
Ultra-broadband photon pair generation on CMOS-compatible chip(CMOS 互換チップ上での超広帯域光⼦対⽣成) |
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著者 |
濱⼭友志(京⼤)、杉浦健太(京⼤)、後藤啓⽂(京⼤)、中村 暖(京⼤)、Xiaotian Zhu(⾹港城市⼤), Sai Tak Chu(⾹港城市⼤), Brent E. Little(QXP Technology Inc.), 岡本 亮(京⼤) |
掲載誌 |
APL Photonics |
DOI | 10.1063/5.0253731 |
KURENAI | ー |