中塚 祐子

略歴

2012年3月 京都大学工学部工業化学科 卒業
2014年3月 京都大学大学院工学研究科修士課程材料化学専攻 修了
2017年3月 京都大学大学院工学研究科博士後期課程材料化学専攻 修了
2017年4月 東京大学生産技術研究所 助教
2019年4月 奈良先端科学技術大学院大学研究推進機構 URA

メッセージ

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現在、奈良先端科学技術大学院大学でリサーチ・アドミニストレーターとして働いています。University Research Administratorを略してURAとも呼ばれるこの仕事は、大学において研究マネジメントや研究支援に携わる専門職です。業務内容は研究力分析、外部資金獲得、知的財産、産学連携、リスクマネジメント等多岐に渡ります。大学教員の研究時間を確保するべく、15年程前から採用が広がっている新しい職種です。

最初の仕事では助教として研究をしていましたが、研究者を支援する役割が重要だと思い、URAとして転職しました。社会が大きく変化し、大学もまた変化することが求められる中で、大学全体を見る立場で仕事をすることは、研究者とはまた違った形での答えのない課題に向き合うことであり、やりがいを感じています。博士号を取った後は、ぜひURAとして働きませんか?

職業柄、研究者を含むいろいろな人とお話しする機会がありますが、自己紹介をした時に博士号を持っていることがわかると、「基本的なことは一通りできる人」という扱いをしていただけるのがありがたいです。実は、学生の頃はこのような先のことまで見通せておらず、博士課程に進学した動機も「研究がしたい」というシンプルなものでした。工学部では修士課程まで行くのが当たり前のような雰囲気があるので、「思い切り研究をしようと思ったら博士課程に行かなければいけないのでは?」と思ったのです。

最近、30代は20代の貯金で生きていると思うことがあります。自分の限界に挑んだ経験は自身の可能性を広げてくれますし、その過程で得た知識や発想は、どこかで有機的な繋がりを生み出しています。エネルギーに満ちた20代に全力で何かに向き合う経験として、博士課程はうってつけだと思います。

 (2025年6月掲載)