室温で140%も伸びる超延性鋼 ―三つの変形機構を順に活用―
材料工学専攻 劉 遠宏特定研究員、高 斯 同准教授、辻 伸泰 同教授らの研究グループは、約140%の一様伸びと約900 MPaの引張強さを両立するオーステナイト鋼を開発しました。
一般的な金属材料の一様伸びは約 20~40%で、先進的な鉄鋼材料でも約 70%に達する程度です。通常の金属材料は転位すべりが主な変形機構であるのに対して、本材料では、転位すべり、変形双晶、変形誘起マルテンサイト変態という三つの塑性変形機構が、変形の進行に伴って順番に働きます。これらがリレーのように加工硬化を受け渡すことで、塑性変形の局所化を抑え、くびれと破断を大幅に遅らせることが分かりました。さらに、炭素添加によって変形双晶とマルテンサイト変態が働くタイミングを制御し、この連続的な発動を実現しました。本成果は、金属材料が持つ延性の潜在力を示すとともに、自動車、建築、航空機などに用いられる高強度・高延性構造材料の新たな設計指針を与えるものです。
本研究成果は、2026年9月1日に国際学術誌「Materials Today」に掲載されました。
研究詳細
室温で140%も伸びる超延性鋼 ―三つの変形機構を順に活用―
研究者情報
- 高 斯 京都大学教育研究活動データベース
- 辻 伸泰 京都大学教育研究活動データベース
論文情報
| タイトル |
Super ductile steel via sequentially activating multiple strengthening mechanisms |
|---|---|
| 著者 |
Yuanhong Liu, Si Gao, Myeong-heom Park, Shuhei Yoshida, Reza Gholizadeh, Zhenghao Chen, |
| 掲載誌 |
Materials Today 100 (2026) 103497 |
| DOI | |
| KURENAI |
