大島 正則
略歴
2020年3月 京都大学工学部工業化学科 卒業
2022年3月 京都大学大学院工学研究科修士課程化学工学専攻 修了
2025年3月 京都大学大学院工学研究科博士後期課程化学工学専攻 修了
2025年5月 イルメナウ工科大学 研究スタッフ
メッセージ
ドイツのテューリンゲン州にあるイルメナウ工科大学にて,常勤の研究スタッフとして,研究と教育に携わっています.研究では,化学プロセスの制御のための新規手法の提案に取り組んでいます.教育では,学生の研究指導と一学期に一コマ以上の講義を担当しています.
国際的に活躍できる研究者になりたいと考えていたため,そのための第一歩として博士学位の取得を決意しました.
修士課程までとは異なり,博士課程では研究の全てのプロセスを独力で完遂できるようになることが求められます.これにより研究を生業としていく上で必要な基礎を身につけることができるのが,博士学位取得の最大の意義と考えています.また博士課程では,国際会議や研究留学などで海外での研究活動を経験できることが圧倒的に多いです.こういった経験は修了後グローバルに研究活動を行う上で大きな財産となります.
私の研究分野は国内では非常にマイナーであり,年次の近い博士号取得者が国内にほとんどいない状況でした.そのため,博士の学位取得に値する研究成果を出せるかどうかが不安でした.ですが博士課程で多数の国際会議に参加し,同じ分野の海外の研究者たちと議論をしていく中で,自分の研究に自信を持つことができるようになり,最終的にこの不安は解消されました.
また,私は国内のアカデミアでの就職を志望していたため,修了後の進路も進学時の懸念点でした.ですが博士課程での経験を経る中で,国内だけでなく海外も視野に入れて将来のキャリアを考えられるようになったおかげで,現在のイルメナウ工科大学でのポストを得ることができました.
博士課程は過ごし方次第で飛躍的に成長できる場所です.皆さんが博士課程をうまく活用され,将来大きな成長を遂げられることを期待しています.
(2025年5月掲載)