電気電子デジタル理工学専攻

電気エネルギー、情報通信、システム制御に関わる技術は、現代社会の持続的な発展を支える中核技術となっています。電気工学・電子工学専攻の歴史は、前身である電気工学科が明治31年に創設されて以来120年以上に及びます。昭和29年には全国に先駆けて電子工学科を設置するなど、時代の要請に応じた学問の体系化を牽引してきました。現在、情報学研究科、エネルギー科学研究科等と連携し、生存圏研究所、国際高等教育院、光・電子理工学教育研究センター等と協力しながら、基礎学理から先端応用に至るまで広範な教育・研究を展開しています。
近年の目覚ましい技術革新を背景に、これまで、両専攻は世界最高水準の拠点形成を推進してきました。平成30年度には卓越大学院プログラム「先端光・電子デバイス創成学」に採択されました。さらに令和 6 年度からは「大学・高専機能強化支援事業(ハイレベル枠)」の採択を受け、仮想空間と現実空間の融合による技術革新を牽引する高度情報専門人材の育成に注力しています。歴史的資産と最先端の実績を基盤とし、令和 8 年度より両専攻は「電気電子デジタル理工学専攻」へと新たに一専攻化し、学際融合をさらに加速させます。特に新設の「デジタル・グリーン領域」を軸に、従来の物理・数理の深い知見と高度なデジタル技術を兼ね備えた多角的人材を育成します。領域横断型の学びを通じて、省エネルギー化やスマート化といった現代の地球規模課題を解決し、情報化社会に新たな価値をもたらす柔軟かつ実践的な教育研究体制を推進します。

デジタル・グリーン領域

電気・システム・生体工学を基盤とした新たな価値創造と持続可能な社会の実現に向けた基盤技術の構築を目標とし、次世代モビリティ、高度なエネルギー変換、先端センシング、宇宙空間の電磁波利用等を基軸とした教育・研究を進めています。例えば、不確かさを有するシステムの制御理論、生体信号の数理モデル化やワイヤレス人体センシング、超伝導技術の医療・交通への応用、計算電磁気学や磁性材料モデリング、電波工学、地球環境負荷を低減する先端電気機器の研究など、2 つの講座と協力・寄附講座が連携して多角的な研究を展開しています。これらは、サイバーフィジカルシステムや次世代AIを実世界で支える高信頼な基盤となり、社会のスマート化とウェルビーイングの向上に寄与しています。

電気・システム・生体工学領域

電気・システム・生体工学領域では、電気工学の中核を成す理論と技術を基盤として、システム、生命、生体を含む複雑な対象を工学的に理解・制御することを目指します。デジタル制御の理論と応用、非接触人体センシング、超伝導の基盤および応用技術、計算電磁気学、宇宙電波工学、マイクロ波工学、環境負荷低減のための先端電気機器などを中心的な研究分野としています。物理現象の理解、数理モデル化、計測・制御・システム設計を一体として扱い、エネルギー、医療、通信、宇宙、環境といった多様な分野に展開します。複雑な現象を理論と実験の両面から捉え、システムとして統合・制御できる工学的能力を備えた人材の育成を目指します。

光・電子・量子領域

より省エネルギーかつ革新的な情報処理社会の実現に向けた基盤技術の構築を目標とし、「光」「電子」「量子」の 3 つのキーワードを基軸とした新学術の創出と、確固たる学術に基づく新奇材料・デバイスの創出に関する教育・研究を進めています。例えば、ワイドギャップ半導体材料の物性解明やパワーエレクトロニクス素子の設計・作製、光量子計測や光量子情報通信処理の実現と光量子デバイスの研究、原子層物質やトポロジカル量子物質等を用いたスピントロニクス研究、電子相関に着目した非従来型超伝導体や多極子秩序物質の物性解明とデバイスへの発展、有機・バイオ材料を対象とした走査型プローブ顕微鏡技術の開発など、極めて広範な分野で世界をリードする研究を展開しています。

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