原子核工学専攻
わたしたちは、素粒子、原子核、原子や分子など、量子の科学に立脚したミクロな観点から、量子ビーム、ナノテクノロジー、アトムテクノロジーなど、最先端科学を切り開く量子テクノロジーを追求するとともに、物質、エネルギー、生命、環境などへの工学的応用を展開して、循環型システムの構築を目指しています。そして、体系的かつ立体的な教育・研究を通じて、先端的研究者や高度専門技術者などの人材を育成しています。わたしたちは、このような研究・教育によって、人間社会のより豊かで持続ある発展に貢献しています。
わたしたちはさまざまなテーマをもって研究に望んでいますが、そのいくつかを紹介します。
加速器を用いた研究:イオン・クラスター・電子・陽電子・X線などの高機能量子ビームを用いて,物質中のナノレベル衝突現象の解明と物質科学や生命科学における応用を目指した研究を行なっています。また,医学研究科や複合原子力科学研究所と連携して研究開発を志向する医学物理士育成を視野に入れた医工融合型研究を進めています。さらに、複合原子力科学研究所において新しい加速機構による加速器の開発も行っています。
物理の理論・技法による諸現象理解と中性子を用いた研究:量子力学・統計力学に基づき、解析的技法・モデル化・機械学習を用いて、諸現象を理解するための理論的研究を行っています。また、中性子などの量子線による物質の構造の解明・機能の分析、さらに工業利用への応用等を目指して、中性子源の高度化、計測法の開発、およびこれらの基礎となる反応断面積評価などの研究を進めています。
核エネルギーの利用に関する研究:核反応によるエネルギーを安全で効率的に利用するため、その発生と変換に関する物理と工学を研究しています。また、核融合を目指して、超高温プラズマにおける物理現象の解明と制御手法に関する研究、固体、気体および液体間の相互作用に関する研究をしています。さらに、原子炉の安全性の確保や確実な廃炉の実施、放射性廃棄物の安全な処理・処分のための化学研究や材料研究をしています。