ホルマリン漬けから着想した小分子可視化法ー医薬品開発効率化につながる新たな戦略ー

合成・生物化学専攻の浜地 格 教授、野中 洋 同特定准教授、美野 丈晴 同博士課程学生らの研究グループは、医薬品の多くを占める小分子が実際の動物体内でどのように移動するかを明らかにする新しい方法を開発しました。

新たな医薬品や診断薬を開発するためには、候補となる分子がどのように体の中を移動するかを調べることが重要です。医薬品候補となる分子の多くは小分子という分類に属していますが、これまで小分子が動物体内でどのように移動するかを調べる方法は限られていました。本研究グループは、医学・生理学分野で古くから用いられる「ホルマリン組織固定」の化学的原理に着目し、それを拡張することによってマウス脳内の小分子の分布を可視化することに成功しました。分子の動きを「固定」することで、これまでよりも高い解像度で分布が解析できるようになりました。この成果は、新たな医薬品開発の効率化につながると期待されます。

本研究成果は、2022年12月1日 (米国東部時間) に国際学術誌「Chem」に掲載されました。

研究詳細

ホルマリン漬けから着想した小分子可視化法ー医薬品開発効率化につながる新たな戦略ー

研究者情報

書誌情報

タイトル

Revisiting PFA-mediated tissue fixation chemistry: FixEL enables trapping of small molecules in the brain to visualize their distribution changes

(PFA組織固定化学の再考:FixEL法による脳内小分子の捕捉と分布変化の可視化)

著者

Hiroshi Nonaka, Takeharu Mino, Seiji Sakamoto, Jae Hoon Oh, Yu Watanabe, Mamoru Ishikawa, Akihiro Tsushima, Kazuma Amaike, Shigeki Kiyonaka, Tomonori Tamura, A. Radu Aricescu, Wataru Kakegawa, Eriko Miura, Michisuke Yuzaki, Itaru Hamachi

掲載誌

Chem

DOI 10.1016/j.chempr.2022.11.005
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