結晶の欠陥を逆利用し、電気機能をデザイン ―原子スケールの“渦”を超高密度に創出―
機械理工学専攻 嶋田隆広 教授、見波将 助教、笠井恒汰 同博士課程学生(研究当時、現:大阪大学大学院基礎工学研究科 特別研究員)、河野真弥 同修士課程学生らの研究グループは、材料中の格子欠陥を用いて、電気分極の渦状構造「分極スキルミオン」を従来限界の100倍という超高密度で集積できることを発見しました。
強誘電体材料中では、原子のずれによって電気的な偏りである電気分極が生じます。分極の渦状構造である分極スキルミオンは、次世代の圧電・情報デバイスに繋がる新機能を生み出す点で注目されています。これまで分極スキルミオンの小型・高密度化は材料を薄くすることで進められてきましたが、その方法には小型化の限界がありました。本研究では、従来は材料特性を劣化させる要因として考えられてきた格子欠陥を逆利用し、わずか原子数個分サイズの分極スキルミオンを従来限界の100倍の超高密度で集積できることを実証しました。本成果は、格子欠陥を「避けるもの」から「新機能デザインの場」へ転換し、次世代デバイス設計に新しい道筋を示すものです。今後は様々な格子欠陥へ展開し、極小スキルミオンと機能の自在な設計を目指します。
本研究成果は、2026年9月3日に国際学術誌「Advanced Functional Materials」にオンライン掲載されました。
研究詳細
結晶の欠陥を逆利用し、電気機能をデザイン ―原子スケールの“渦”を超高密度に創出―
研究者情報
- 嶋田 隆広 京都大学教育研究活動データベース
- 見波 将 京都大学教育研究活動データベース
論文情報
| タイトル |
Ultrahigh-Density Atomic-Scale Polar Skyrmion Lattice in SrTiO3 via Twist Grain Boundary Engineering(チタン酸ストロンチウム内のねじり粒界による原子スケール・超高密度スキルミオン格子の創出) |
|---|---|
| 著者 |
河野 真弥,笠井 恒汰,池田 善孝,徐 涛,見波 将,嶋田 隆広 |
| 掲載誌 |
Advanced Functional Materials |
| DOI |
10.1002/adfm.78177 |
| KURENAI |
