モジュールごとの自律分散制御による大規模ネットワークの安全な運用手法を構築-多様なIoTネットワーク設計への応用に期待-

    広島大学大学院先進理工系科学研究科の河野佑准教授と電気工学専攻の細江陽平准教授からなる研究グループは、大規模ネットワークの自律分散運用を実現する制御技術を構築しました。高度に複雑化するネットワークにも対応するため、非線形確率システムと呼ばれる一般的な数式表現を基盤とし、確率 Contraction 理論を発展させました。具体的には、単調性と呼ばれる特性を活用することで、ネットワーク全体の安定性解析をモジュールごとの解析に分解することに成功しました。これにより、従来の確率 Contraction 理論が課題としていたモジュール数の増加に伴う計算量爆発(答えを出すために必要な計算量や時間が膨大となり、現実的には答えにたどり着けないような状態)を回避し、実現可能な安定解析を可能にしました。提案理論は、分散運用可能なIoTネットワークの設計への応用が期待できます。

    本研究成果は、2025218日に学術専門誌IEEE Transactions on Automatic ControlEarly Access版に掲載されました。

    研究詳細

    モジュールごとの自律分散制御による大規模ネットワークの安全な運用手法を構築-多様なIoTネットワーク設計への応用に期待-

    研究者情報

    書誌情報

    タイトル

    Contraction Analysis of Differentially Positive Discrete-Time Stochastic Systems

    著者

    Yu Kawano*, Yohei Hosoe

    掲載誌

    IEEE Transactions on Automatic Control

    *責任著者

    DOI 10.1109/TAC.2025.3543562
    KURENAI

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    電気工学専攻

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